しづ心なくインターネット

おポエム申し上げます

2017年上半期個人的に買ってよかったもの大賞

今年は上半期下半期にわけてみようという試み
sueshee.hatenablog.com

■ビオデルマ セビウム H2O
もともとipsaのふき取り化粧水は使ってたんですけど、ブースター? 美容液? みたいな感じでふき取りパワーは弱いなと思っていて、ツイッターでダブルふき取りいいよ~って流れてきたのでやってみた。
ダブルふき取りするようになってからコメドが出なくなりました。もともと肌が強いから、ガンガン拭いてもトラブルになりづらいのもあるんだと思う。
セビウムはオイリースキン用で使うとつっぱり感があるので、すぐipsaのふき取り化粧水で拭く。肌弱い人はマイルドスキン用のほうがいいのではないかと思います。
クレンジングで取りきれない微妙な汚れみたいなのがコットンに残る。あとクレンジング適当にした日はファンデとかリップメイクがしっかり取れる。使ったコットンは洗面所の掃除に使ってから捨てている。
セビウム使うようになってからは初めてipsaで肌のコンサルティングしてもらって、角質の数値50くらいだったのが84に上がってました。100に近いほどいい数値らしいので嬉しい。それ以外はアイクリームと美容液しか変えてないのでたぶんセビウム効果と思います。
ロッテ免税店でクーポン使ったら250mlが9ドルぐらいになった。コスパもよくサイコ~

■IOPEエアクッション ナチュラルグロー
やっぱたくさんの人がいいって言うものはいいんだなあ~と思った。
薄づきなのですがちゃんと塗った感があり、肌呼吸ができる! 崩れとか一切気にしないんですけど(化粧直しもしない)、朝からてかりとは違うツヤが出るので、夕方になってもてかってるのかツヤなのかわからなくて一石二鳥感があるずぼらの救世主。
下地→今まで使ってたクリームファンデをコンシーラー代わりに→エアクッション→フェイスパウダーで仕上げてます。 ナチュラルグローだけだとしみそばかすが少し浮くのでコンシーラーとかBBクリーム挟むとカバーもできて万全の構え。インテンスカバーも使ってみたい。
カラーはN21。いつもファンデ選ぶときは標準色か一段明るい色を使ってるのですが、韓国のファンデってちょっと明るめなので、N23でもよかったかな~
使うときなんとも言えないケミカルな香料のにおいがするので、慣れるまでは辛いと思う。私はセザンヌの下地の匂いがだめで脱落したので、あれよりはいける! 好き好きですね。セザンヌは薔薇っぽい感じだけど、これは原料って感じの匂いです。塗ったあとはまったく気にならないです。

■FREETEL
au使ってたんですが、2年しばり終わって割引なくなってしまうのでMVNO転出しました。携帯代が半額になった! エライ!
昼休みと18時頃はやや通信が遅くなる。その時間帯はtwitterの画像読み込みがすご~いゆっくりになる感じです。 携帯メールがなくなってしまうので、メール受信をいちいちプッシュでチェックしないといけなくて(設定変えたらいけるのかも。面倒でこのまま)、不便なことがあるかな~と思ったんですが、今のところ特にないです。
固定プラン8GBで使ってますが、LINEとtwitter分の通信料無料なのでもっと下げてもいける気がする。 無料通話分の付帯がないので、ほとんど電話しなくてキャリアメール使わない人にはおすすめです。
MVNOの会社選び、どれも一緒だろ~と思って決め手に欠けたので、私が選んだ基準を書いておくと、通信が速いと評価されていること、twitterとLINEの通信料が無料扱いであること、店舗で即日開通できることでした。

■Anglink 珪藻土バスマット
泊まった先で使って、足の裏がシトっ……として気持ちよかったため導入。
すぐ乾くので衛生的で今の時期にもよろしい。水が足型に染みて、スイ~っと乾燥していくのを見ると楽しい。

イトメン チャンポンめん
amazonだとなんでこんな高いのかな!? ふつうにスーパーで買ってください
すごいあっさりしてて、なに出汁とも言い難い……海鮮かな……優しい味わいなので胃弱のみなさんにお勧めいたします。
私がよくやるのはラーメン鉢に酢をドボドボ入れて、キャベツの千切りを山盛り下に引いてその上からスープと麺をかけてねぎ油垂らして食べるやりかたです。極めてうまい。

Thrill me(2017韓国版)観劇メモ

できるなら記憶を消してもう一度観たいミュージカルナンバーワン。
エア手配の翌日に渡航注意が出て青ざめたりしましたが行ってきました。
チケットはインターパークで。YES24も試したけどうまく登録できず。
3月末、そろそろ観にいっとかないとな~来週とかどうかな~って余裕こいて残席チェックしたら、週末はかなり先までチケットなくてヒヤッとした。
1時間くらいリロードしまくったら今回取った席が出てきたので慌てて予約。

会場はベガムアートホール、COEXと同じ三成駅から歩いて5分くらい。ABCホールのようなこぢんまりしたサイズ感。
チケットボックスで予約メールを見せたら紙のチケットを渡してくれました。
セットも日本で見たのとほぼ同じ。銀劇では木の柱が立っていた気がする。
裁判所のときのライティングは、日本では「私」に四角く切り取られたスポットが当たっていたのですが、韓国では普通の円スポットでした。

1924年のシカゴで起きた実際の犯罪「レオポルドとローブ事件」を下敷きに書かれた、もとはオフブロードウェイの演目。
誘拐殺人の罪で30年近く模範囚として服役した「私」は、仮釈放の審議会にて、共犯の「彼」との間に何があり、どういう経緯で犯行に及んだかを陳述します。
まだ20代だった「私」と「彼」はそれぞれ裕福な家に生まれ、幼馴染として育ちました。周りの人間を見下し、ニーチェの超人主義に傾倒している「彼」は、自分の優越性を社会へ証明しようと犯罪に手を染めるように。「彼」に心酔している「私」は、「彼」の計画に関わり、最初は廃屋への放火や窃盗などの軽犯罪、そして児童の誘拐殺人をきっかけに逮捕へ。
出演者は「私」と「彼」のみ、男性俳優の濃密なふたり芝居。セットもシンプルで、大掛かりな転換はありません。劇伴は生ピアノ、以上。客電が落ちるとまずピアニストの方が、舞台上手の高い場所へ設置されたアップライトピアノへ。生演奏という公演ごとの一回性と、全体的にテンポ速めの曲目に、いやでも高まる物語の緊張感。
不要なものをとことん削ぎ落とし、韓国版と、それを基にした日本版では役名すらない、生々しい感情のぶつかりをじりじり見守る90分です。実際の殺人シーンは描写されることがないので、血や暴力表現がダメでも見られると思います。

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今回見たのは「私」がカン・ピルソクさん、「彼」がイ・ユルさんの組み合わせ。
カン・ピルソクさん、お顔が小さ~い……鼻筋がすうっと通っていて、なのに鼻先が丸いのがあまりにチャーミング。
童顔で穏やかな雰囲気で、本編でめがねをかけて出ていらしたときはどこか神経質な印象を受けました。紺スーツで銀行員ぽかったせい?
イ・ユルさんは男性的な外見で、ピルソクさんとほぼ頭ひとつ分の差があった。前髪を上げていらしてブラウンのスーツで、スタイルばつぐんでした。腰の位置が高い!
今回の「私」は品よく知的、「彼」は厭世的な意識高い系大学生という感じ。
日本で見たのは尾上松也さんと柿澤勇人さんのペアで、そのときは「私」のほうが背が高くて、穏やかで頭の回転が少しゆっくりめ(その役作りが後半でめちゃくちゃ効いてくる!)/「彼」が細身で神経質で若さと全能感に満ち溢れていて、という感じだったので、ペアによってまったく印象が変わってくる話だなと思います。

もう結末を知ってしまっているせいか、ピルソクさんの「私」は最初からどうしようもなく悲しい空気を纏っているように思えました。ふたりでいる時間を無邪気に楽しむだけではいられない、「彼」を自分だけのものにするにはどうしたらいいのか、いつも少しだけ考えているような「私」。
廃屋にガソリンを撒くとき、子どもを誘拐してきて殺そうという「彼」に賛成するとき、「私」が抱えた悲愴さが炎のように垣間見えます。「彼」に絶対的に賛成の立場じゃない、自分たちのやっていることが関係者に与えるダメージをきちんと認識できる、それでも「彼」へ寄り添ってしまう苦悩。やっていることは犯罪だし、動機も利己的なんですけど、あえて辛い道を選ぶ殉教者のような清潔さ、気高さがある。
ただ、「私」は確かにそれを喜んでいる。罰されるかもしれない、罰されたいというマゾヒスティックな欲望が、虫も殺さぬような顔をした「私」が熱望しているスリルだったのかなと思います。
「彼」は、放火や強盗で一瞬楽しそうな顔を見せても、すぐにつまらなそうなつんとした表情に戻ってしまう。なにをしても満足できない心を煽り立てるように犯罪へ走り、キスやそれ以上のことまで共犯契約の対価として使ってしまう捨て鉢さ。お前がいないとだめなんだと歌い、犯罪の観客として「私」の目を必要としながら、本当は自分自身にも興味がないように見える「彼」。
反対に「私」からは、自分の中へ閉じていく強い自己愛を感じました。「彼」に対して一般的にいう性愛があったのかすら危うい。尾上柿澤ペアの「私」は、「彼」がいなくなったら死んでしまうような個人への執着がありましたが、ピルソクユルペアの「私」が求めていた「彼」は、あくまで理想としての存在で、肉体として必要としているかというとまた別のような。
「彼」を自分のものにしても「私」が満足することはなく、どちらかというとまた奪われることに喜びを感じていそうな「私」という私見です。

セリフや歌詞を理解しながら観たらまた印象も変わりそう。
韓国語はさっぱりなんですが、日本版観たことあるしOSTスピードラーニング効果で大筋はわかるという感じでした。
共通した発音の単語もあるから、A Written Contractで「ケヤクソ」って出てくる度にハッとした。契約書!
男ふたりの情念が煮詰まっていく過程と、その末に待っている爆発には、韓国語の激しい響きがまあよく似合いますね。

最初のキスシーン、「彼」のほうが上背あるのでどうするのかなと思って見ていたら、長い脚をかがめるでもなく顔だけ傾けて掬い上げるようにいったので、頭がおかしくなった。
そのときは応えるように顔の角度をつけていた「私」が、「私」をなだめすかそうとして「彼」がするキスを拒むときは、そっと顔を背けることで成立させなくするの、シーンの対比として鳥肌ものでした。

とにかくピルソクさんがラブリーだった。お顔もコメディシーンの演技も。
「彼」を待つシーンでニコニコそわそわチョロチョロしているところとか、A Written Contractの前、寝るからって言う「彼」に膝枕してあげる! って膝をポンポン叩くところとか、スイートすぎてオペラ覗きながら半笑いになった。
一変して、Everybody Wants RichardとかMy Glasses/Just Lay Lowの激した表現もよかったなあ……ソフトな見た目なのに声量あるし音も外れない。迫力ありました。

カーテンコールでは半分くらいがスタンディングオベーション。最終日というわけでもないのにあの熱狂は演目だからなのか、もともとの観劇スタイルがああいう感じなのか。
客席にお辞儀をされる演者さんへ、拍手に加えて声援で応えるのも日本とは違って新鮮でした。

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渡航目的の大きなひとつ、マグカップ。iPhoneケースもかわいかったんだけど私のiPhoneは残念ながらSE。
グッズもカードで買えるのすごい。

pokos.hatenablog.com

チケットの取り方、上記を参考にさせていただきました。ありがとうございます!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"勝者と敗者" 観劇メモ

舞台版ハイキュー1作目を見たときの高揚が今でも忘れられない。
アンケートは表面だけで足りなくて裏面にもびっしり書いて出したし、アイアから渋谷駅へ下っていく道を元気よく歩きながら譲渡を探しまくった(歩きスマホはやめましょう)。
2.5次元の新しい幕開けを見た! と大興奮した、そんなハイステももう4作目。今回もなんとかチケットのご用意に成功して観にいきました。

回転する機構を備えた八百屋舞台は健在! 照明を仕込んだ2代目になったとのこと。前回を最後になくなってしまうというのを見て残念だったのですが、外観はほぼそのままにバージョンアップしていたので嬉しい。
TDC未訪なので梅芸で見た感想ですが、すこんと天井の高いアイアに映えるセットだったろうなと思います。
特に上階から見下ろすと舞台上部が視界を遮って圧迫感があったので、2階前列よりは1階後列で見上げるほうが好みの視界になりそう。背景の映像パネルも見下ろしだと、照明でやや白飛びします。
今回はせりあがる足場やフライングで空間を縦に使う演出がたくさんあり、視覚の情報量が多くて、いい意味でどこを見たらいいのかわからなくなった。ウォーリーを探せを見ているような気持ちになりました。目が最低4つぐらいほしい。
青城のメンバーそれぞれが白い布を手に出てきて、それを小さいスクリーンに見立ててバレーボールを投影するの、立ち位置や投影がちょっとでもずれたら目も当てられなくなってしまう演出に挑んでいくのが最高。
そして幕代わりのスクリーンに大写しになる遊馬及川さん……私も梅芸大ホールの舞台いっぱいに顔が写ったことがある人になりたい! サマージャンボ当たったらやります。 

照明がかっこいい! 1作目見たとき知人にそういう話をしたら、照明作り業界では超有名なスタッフさんだと教えてもらいました。
今回は舞台自体、床も壁面も一体になってびかびかに光るのでMステじゃん! って思った。試合中、ボールが光で表現されてレーザービームみたいに床を横切っていくのがきれいだった。

ハイステ、歌わないけどミュージカルっぽいと前から思ってて、リプライズ曲が多いからだというのを思いつきました。
調を変えたり、これまではメロディだけだったエンディングに歌詞がついたりと、同じ曲がアレンジされていろいろなシーンで流れるの、脚本自体も印象的なシーンを繰り返す構成なので相性がいい。
もともと和田さんの曲が好きで、和田さんが音楽担当なら外れないでしょ! と思って1作目のチケットを取ったので(見終わった後のアンケートもサントラ出してくださいって3回ぐらい書いた)、今回も大満足。
青城は管弦メインで優位チームの余裕めいた軽やか華やかな編曲なのに対して、烏野はパーカスと低音ゴリゴリの荒々しいアレンジで、ダンスもバレエ風・群舞のように揃った振りつけの青城、ジャズダンス・ヒップホップやハカを思わせる動きの烏野と、耳・目でも対比がわかりやすいつくりで楽しかったです。
舞台って総合芸術なんだなと、ハイステを見ると毎回改めて思います。

気になったのは説明的な演出が増えたことで、セリフやト書きが背景に投影されたり、フライングなどでカンパニー側が伝えたいメッセージがわかりやすい反面、もう少し観客の想像の余白があってもよいのではないかなというのが個人的な感想です。「その夜」って文字で説明されなくても照明が暗めになって虫の声が聞こえれば夜だなってわかるし。
コメディ要素と回想も多くて、試合の流れに集中しきれず……ギャグで気持ちが緩みすぎてしまって、感情の動きにうまく乗れなかった。
とはいえ、見る前はほぼ3時間!? 3章立て!? と尻へのダメージを思ってぞっとしていたんですが、気がついたらカーテンコールで、テンポのよい展開ありがとうという思いです。
なにより実際の試合と同じ3セットを、一般的な上演構成の2幕に凝縮しないで見せるというのに意味があったのだな……
でもやっぱり平日に22時過ぎて終わるのは、家遠い人はおつらいでしょうね。実際本編終了時点で退席していった人多かった。梅芸、駅からちょっと距離あるし……

「セッターへようこそ」が今回イチで好きなシーンです。
オーケストラとバレーボールの試合というまったく異なる分野のものが、あのシーンで融合して、なんというか宇宙を感じた……
烏野ではみんなのためにバレーする、バレーを手段にするのが正道で、自分が好きなバレーをしたいと思うこと、目的化するのは邪道寄り。
それに自覚的なのが覚醒前月島、無自覚なのが今回までの影山だと思うのですが、スガさんと研磨の人のためにバレーをする組がタクトを振って、影山が自分の手でゲームメイクする有機的な喜びに目覚める瞬間が描かれていたの、すごくよかった。
異分子の融合で爆発力が生まれるのをダブルで表現した、とても気持ちのよい話と演出でした。
あと、手をつないで重心を外にかけながらゆっくり回るシーン(上手い表現が思いつかない……)が好き。
初演・再演だと日向と影山が町内会との試合でやってたり、今回だと影山と及川がやったのが印象に残ったのですが、影山及川ペアは及川が影山より優位で振り回すような感じ、日向影山ペアは絶対的な信頼を感じられる安定した動き。
いろいろな組み合わせのペアが同じ動作をすることで、それぞれの違いが浮き上がって見える、面白い演出だと思いました。これもリプライズ。
どちらかが手を離したら転ぶような危ういモーションを、舞台という絶対にやり直しできない場所でやること、めちゃくちゃ緊張感があるし、見るといつも涙が出る。

体を上手に扱う人たちだな~と思うのは木村達成さんと音駒ペア。
永田崇人さんは立ち方から猫背で役柄そのもの、「演じている」「段取り」感が伺えない。近藤頌利さんはジャンプのときの高さと滞空時間の長さ、背筋のしなりが美しくて、音駒ふたりのシーンは、他2チームより半分以下の人数なのに存在感がすごい。
シンクロ転回や、ただ動き出すだけでも妙にゆらっ、ぬめっとした動物っぽい動き、コンテンポラリーダンス見に来たんだっけ? という気持ちにさせられる。
セッターの働きを指揮者にたとえて各校セッターが指揮をするマイムがあり、木村さんがあまりに体に馴染んだ動きをされていて(音楽未経験者の感想です)、体をコントロールすることとリズム感にものすごく長けた方なんだろうなと思った。そのあとパンフの「誰にも負けない! というものは?」という質問に「運動。できなかったアクションも運動もない」って答えてるの読んで頭がくらっとしました。かっこいいです! かっこいいです!
今回おおっと思ったのは秋沢健太朗さん。感情を観客へ届ける表現がめきめきうまくなっておられるなと思います。再演で初めて拝見したときは、声と迫力でモップが倒れる! というシーンで「演出なのでモップが倒れました」という感じだったのですが、回を重ねるごとに部長らしい説得力が備わっていって、今作の試合が終わって日向を抱え起こすときの「謝るな」の威厳と、そのあと負けた悔しさを抑えて後輩を優しくねぎらう声の落差がとてもよかった。2.5次元の面白いところ、キャストを定点観測することができる部分で、その面白みを感じさせていただいたことに対する感謝のブロマイド購入をした。

今回、初回を見たとき感じた「板の上で漫画をしている」感が薄くなってきたように思いました。
舞台版ハイキューを見たとき、「この人たちは舞台で漫画を再現しようとしている(のでは)」と思って鳥肌が立つほど感動したのでした。原作ベースで舞台をするのではなくて、舞台を原作に近づけていこうとしている結果の止め絵のようなラストシーンだったり、漫画のコマを使ったキャストパレードだったりがとても新鮮だった。
徐々に舞台オリジナルの要素も増えていて、舞台として独立したコンテンツになっていくのかなと思います。ハイステとしても、原作の区切りとしても大きな章がひとつ終わったんだなと感じました。
限りなく2次元に近かったハイステが、4度の舞台を経て3次元へ近づいていく。
次はどういうふうに驚かせてもらえるのか期待しかないし、次回も絶対にチケットをご用意してもらう。

 

www.engeki-haikyu.com

柔道少年観劇メモ

一回寝かせてから投稿しようと思ったら寝かせすぎた。

千秋楽おめでとうございます。最近重めの話ばかり見ていたから、久しぶりに交じりけなく「わーっ楽しかった!」ってABCホールを出ました。
青森弁の響きがなんともチャーミング。青森出身三津谷さんだけ英語混じりの標準語なのが二重で面白かった。
韓国エンタメのストーリーテリングの、無理やりな話運びだなというところを、こまけえことはいいんだよ! で強引に展開するパワーが結構好きなんですが、今回の脚本のそういうところも中屋敷演出のテンポのよさ、スピード感とマッチしててすごく面白かった。韓国版の演出でも見てみたい。


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けっぱれ、語源は気張れ。気を張り続けろなんて残酷だと思う。受け身で畳を叩く音を持続低音として、被さるような「けっぱれ」がミヤザキシュウトへ降り注ぐ。
みんな夢をミヤザキシュウトへ仮託する。後輩たちも先生も家族も。肩に乗せられた期待の分だけ苦しくなって、逃げるみたいに練習をさぼる。
だけど、苦手な絞め技に耐えて首を痛めても、自分でやるって決めたことを最後までやり抜いたミヤザキシュウトは、憑きものが落ちたように笑いながら出てきた。表彰台に立てなくても、好きな人と付き合えなくても人生は続いていく。
諦めなかったら終わりじゃないというフレーズが何度も出てくるとおり、やり通すことを知って、今の自分の身の程を冷静に見ることができたミヤザキシュウトは、大学での再起もあり得るんじゃないかと思えるエンディングでした。

一方のところ、役名=俳優さんのお名前だったことと、これは勝手な話なんですけど、若手俳優とはいつまで若手俳優なのか、肩書から若手が取れるのはどういうときかみたいな話を最近したこともあって、柔道と若手俳優が芝居をすることを重ねながら観てしまった。あまりよろしくない観客ですね。
同年齢でも若手のラベルがつかない俳優との違いとして、夢を売る、アイドル的な要素が大きく組みこまれているのが若手俳優だと思っています。
顔のいい男とチェキが撮れたり握手ができたりすると、次の日すごく元気に動けたりするので(あれなんでですかね?)その距離感の近さがありがたい反面、色恋沙汰で炎上しているのを見ると、歌手とかほかの俳優よりガッカリ度が高いのも確か。職業と顔の良さ以外はふつうの人であろう彼らに過剰な夢を見ているなあと思う。
舞台上で熱量の高い人生を過ごしている若手俳優を見ると、自分が努力しないまま満足感は得られる。自分は2時間ただ座っているだけなのに、チケット代を払うだけでなにかやった気分にもなれる。
舞台と客席の間、1メートルにも満たない空間には、実距離以上の隔たりがあるような気がしていて、がんばれ、望む姿を見せてくれって気軽に投げかけているけど、同じ人間をコンテンツとして消費している自分に時々うすら寒いものを感じます。
感じるだけでやめないんですけど、そういう部分があることに自覚的でいたほうがいいなと思う。

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宮崎さんはどんな役をやってもうっすらご本人の地が見えるところが魅力だなあと思います。ひねたように先生に反抗するところでもかわいげがあるんだなあ。
マイク使ったお芝居しか見たことなくて、もともと声量小さめなのか喉痛めてしまっているのか、はたまた演技プランなのかわからないのですが、だからこそ声を張った「青森体育高校! けっぱれーっ!」がとてもよかった。
サクライさんに一目ぼれしてポワワ~ってなってるところ、かわいいの精かよ……って思った。

荒井さんは数年前にギャグ百連発してた方とは思えないイケメンおにいちゃんでした。
発声がめちゃくちゃよくて、ほぼ最後列にいたのですが語尾までとてもクリアで聞き取りやすかった!

池岡さん、一時顔が死んでたので今回お元気そうで安心しました。
池岡さんのお芝居は、バックグラウンドを想像させるというか、この登場人物はこういう子供時代を過ごしてきたんだろうなというイメージが沸くところがすてきだなと思います。
エネルギーの塊のような役どころというか、韓国映画に絶対いるかわいい犬タイプのキャラクターだ! やったー! って思った。しんみりするシーンでもあくまで明るい演技プランなのが最高。

呼吸をするように笑いを操る男、三津谷さん。これまでシリアスな役どころでしか拝見したことがなかったので、ギャップもあって嘘みたいに面白かった。ミッチェル体操の小気味いい動きに死ぬほど笑った。
笑わせるだけ笑わせておいて、笑いに絶対被せずセリフを始めるところ、テクニカル~~!!間と呼吸が絶妙。銀河鉄道の夜とか朗読してほしい。

桜井さんは一挙一動にきらきらした擬音がつきそうな愛らしさ。アクティブなミナミさんもアライおにいちゃんの妄想上のミナミさんもとてもかわいかった。あんなかわいい子に「おにいちゃん♡」て言われた日にはそれはもう好きになるでしょ……歌がアイドルど真ん中で超よい。

小林さん、やっぱりベテランの方がいると舞台の空気が違います。ミヤザキシュウトに期待かけて悪かったって謝るところで泣いてしまった。


アフタートークのゆるゆるした感じ、BOYS TALKトーク舞台)を思い出してよかった。2を見たんですけど、平野良御大が放送コードギリギリで愉快でした。クリエさんもう一回やりませんか? 

観劇予報 : 『第2弾 BOYS★TALK』佐藤永典・宮下雄也 インタビュー

メサイア-暁乃刻- 観劇メモ

大千秋楽おめでとうございます。冒頭から強めのメサイアぢからにやられてしまい、今すぐ椅子に縛りつけてくれ!! と思いながら見ていた。


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人でいることをやめたふたりの男の話。有賀と間宮、有賀といつきが感情のない機械から人間に戻ってきたのとは対照的な在り方でした。

いつ死んでもいいと思っている人間は強い。護のために居心地のいい夢の世界を捨てて現実へ再生した淮斗が、護のためいのちを擲つのは彼にとっては当然のことで、納得してしまうけど、その盲目、迷いのなさが私のような常人にはおそろしい。
見ていて月の兎の説話を思い出しました。彼らなりの信仰に殉じて、炎に身をくべても構わなかった兎と淮斗。質量保存の法則のように、一度失われようとしたものを蘇らせるためには等価のエネルギーが必要で、それが有賀にとっての間宮であり、護にとっての淮斗だったのだと思う。
護は淮斗にとっての光だったから、それが消えてしまうことは自分の体を失うより耐え難いことだったんだと思います。
ただ淮斗も確かに護を照らす光で、淮斗がいない世界をどうやって生きて行けばいいってよろめく護、淮斗失踪の理由を任務復帰してすぐに聞かされていたら自分を許せなかったかもしれないと這いつくばって震える護の激しい執着を見ていると、護は鋼の章で命を捨ててでもこの世界を守りたいというようなことを言っていたけど、本当に彼が守りたかった世界はあくまで淮斗がいるのが前提だったのかなと思いました。
肉体をなくした兎は月へ、海斗は電子の海へ。淮斗は死してなお月として傍にいることで、世界を守りたいという護の意思を支えていく。壊れやすいふたつの卵だったふたりは、ひとつの鋼として結実してしまった。あえてしてしまった、と言いたいような、ぞわっとしたものが残る観劇後だった。

精神ってなんだ……人を人として規定づけるものはなんなんだろう。
人工知能のことを人間だとは私は思えない。少なくとも今のところ。でもエンディングで、何もない空間に微笑みながら拳を触れさせる護は、淮斗の生を心から信じていると思う。
一番怖いメサイアだ。淮斗がこれから肉体的な死を迎えることを護は考えなくてすむ。護はもうほとんど死の世界にいて、人間の道理を飛び越えてしまっているように見える。いびつになってしまった魂の切り口がぴったり合う相手を宛がわれることでどうにか永らえてきた人たちがサクラで、片割れを奪われたサクラは一度壊れてしまう。
だからこそ有賀と護が最後に銃を交換するシーンは、合わせる拳をなくした(ことのある)ふたりが、生にしがみつくためのかすかな糸をそっと確かめる儀式のようで、とても美しかったです。
メサイアでは正義の味方を守ってくれる人がいて、それが重い展開の中での唯一の救いに思えます。ひとりで闘わなくていい物語だなと思っていつも泣いてしまう。

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赤澤さん、廣瀬さんのいない中存在を意識させ続けるお芝居、シリーズを背負う重みだけでない気迫を感じました。チャーチの掟を咆哮するごとく声張り上げるシーンは自然に涙が出てしまった。淮斗の死へまだ感情が追いつかない苦しさと、真意を知ったことで生まれた多幸感のモザイクじみた演技、鳥肌ものだった。「むごいことを……」っていうところ、一切赤澤燈さんの見えない、白崎護が発した声のように聞こえて、怖ろしい俳優さんだ……と思った。
井澤さん、いや~仕上がってる~かっこよかった~メンノンだった!笑 手足の長さがはんぱないので回し蹴りのアクションが映えること! 有賀が急にモテモテになったので動揺した。鋼は配信を見ながらメモ取ってみたのですが、サルベージついでに残しておくと、任務に失敗したサクラを助けられるのはメサイアとして結びついた相手のみで、間宮に自ら手を下すことで、間宮をメサイアとして終わらせてあげられたのではないかと思いました。サクラは戸籍も国籍も持たない不確かな存在で、だけどメサイアだけがお互いの人間としての輪郭を浮き上がらせることができる。
杉江さんはいつみても体術の美しさに惚れぼれしてしまいます。跳んだ時とか攻撃モーションとか、アクションひとつひとつに止めがある気がする。いつきが、おじさんのことは自分でかたをつけなきゃ、と突き進んでしまうところ、男の子っぽいわあ~と思う。そして男ピエタ……膝抱きがあって、メサイアがある。ここテストに出ます!

新人トリオはこれからキャラクターが深掘りされていくのが楽しみ! 一嶋さん好みのペアはまあ万夜さんと小太郎くんだと思うんだけど、じゃあ洵くんのメサイアはどうなるの誰になるの!? 3人がこれからどう変わっていくか見守っていきたい。
長江さん、カテコまではキャラとしてお辞儀も浅めニヒルな微笑みだったのが、ダブルカテコからは深々と頭を下げてらしてギャップ100点。アフトクで「有賀と万夜、船のシーンで銃をぶつけてから袖を出るルーチンをしている(自主的に)」「いつも有賀からぶつけてきて、万夜は自分からはいかないって役解釈。でも大阪ではなかなか有賀がぶつけてこなくて、視界に入るところで銃を上げ下げしてアピールした」ってエピソードを話してくれて、森ノ宮ピロティホールに天からお迎えがきそうだった。危なかった。
沖永さんは体がしっかりしているから立っているだけでかっこいいなあ。戦闘に入るときの構え、何度でも見たい……ご本人はカンパニーのいじられ役としてキャラ立ちしているようで、でもニコニコしながら受け入れているの、もう既にお母さんでした。
橋本さん、よき眼鏡だ。情緒が発達していくのを心待ちにしています。一嶋さんとのご関係が明かされるのも。

ドクターズはチャーチのセキュリティをもっとちゃんとしてください。毎回クリアされるガバガバセキュリティシステム。安里さん、耳慣れない単語も多いセリフなのにすごく聞き取りやすかった。若手くくりの中でもトップクラスではなかろうか。大塚さん渋い~~ドクターが俺のやりたい研究組織の方向じゃないって言ってたのはネクロマンサーに対してなのか、チャーチの研究班としてのことなのか気になる。ドクターチームのバックグラウンドも教えてほしいよ~
伊藤さん、顔が可愛すぎないか? あのラブリーさ、出世の邪魔にならないのか? 周ちゃんとはどういうご関係なのか。名字が名字だし、お母さんつながりでしょうか……あの若さ熱さを変な方向に利用されないでほしい。

山田さん、ビジュアルも演技もなにもかもがよすぎた……思い出すだけでIQが3まで下がるのでコメントを差し控えさせていただきたい。ちょっと調査兵団っぽい(白パンツロングブーツ)。荒木さんは今回限りがもったいなすぎる! 声に深みがあって、高笑いの響き方が聞いてて気持ちいい。チェーカーとサリュート、見た目がややかぶってたから嫌な予感はしていた……残念。
小谷さんのメサ衣、見栄えがする~重くなる話の中でコミカル要素を一手に担ってきゃぴきゃぴする黒子ちゃんの安心感よ。そしてオネエ口調キャラの男モード、テンプレながら、ウッ好き……とならざるを得ない。

ベテランチーム、アフトクのときサーっとでてきて客席を沸かせるだけ沸かせて何もしゃべらず帰っていった。
中原さんのアクション、目と脳がバカになった。まだメサイア見てない人でメガネ参謀が好きな人で戦闘用義肢好きな人、絶対に今回の一嶋さんバトルシーンを見てほしい。
大澄さんがいるだけで舞台が締まる。立ち姿とスラックスの折り目が美しい~っ 志倉さんのやってみろ責任は取るってマネジメントスタイル、しかも後ろでいろいろ調整はしておいてくれる感じ、こんな上司が欲しい! って思うけど、彼の下だと私は全く昇級コースに乗れない気がする。志倉さんの部下がグエンちゃんでよかった。

今回、護が拳を合わせるとき、姿がなくてもそこに淮斗がいた。いつか赤澤さんと廣瀬さんが揃いのメサ衣で舞台に上がることがあって、袖にはけていくのを見送ることができたら、私の中で白崎悠里ペアは本当の卒業をみるのだと思います。

というのを書いて推敲している間に、大千秋楽でメサ衣着た廣瀬さんが花束持って登場されたんですってね。そうしたらもう鐘を鳴らして、盛大な拍手で見送るしかできないなあ。
改めて、大千秋楽、卒業、おめでとうございます。夜を越えていくメサイアたちに幸多からんことを。