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おポエム申し上げます

ALTAR BOYZ 2017 Team Gold観劇メモ/キャスト編(2/3~2/5)

 観た人向け、ネタバレ万歳浄化しきれなかった魂の観劇メモキャスト編(2/3〜2/5)です

 

 

常川アブラハム
ディズニー映画の王子様のように端正なルックスと正統派ミュージカル歌唱、鼻濁音の美しさはアナウンサーのごとく。
股関節が柔らかくて、彼にだけ重力が働いてないみたいな開脚ジャンプや、腰の高さにキープした足をぐるっと後ろまで回していく動き(ロンドゥジャン)がなんとも鮮やか。
軸がぶれないピルエットに、メドレーのNumber918では客席から「アブちゃん!」の声がかかっていたのが印象的でした。人ってスニーカーであんなくるくる回れるんですね?
お顔立ちの華やかさ、相当な訓練を伺わせる技術の高さ、ぱきーっと客席後ろまで伸びていく声がLegacyのアブちゃんである良知さんを思い出させるポジション。キャストトークやコンフェッションでは周りをずっこけさせたりして意外にいじられ役で、も~~アブちゃん~~~って集中攻撃を受けても「^ヮ^」って終始明るい笑顔でにこにこしているのがとてもかわいい。口がまんがの三角に開いている!

新生REDのアブちゃんが白いお花に溜まった朝露しか口にしないアブちゃんとしたら、Goldのアブちゃんは「カレーおいしいですよね」って言いそうなタフで地に足のついたアブちゃん。
ジューの自分がバンドに加入した理由も、新生REDのアブちゃんは何かにつけて深く考えこんでいそうで、Goldのアブちゃんは「なんでかな?」って考えた5分後ぐらいに「でもなんか意味があるんだろうな! 信じることって大事だもんな!^ヮ^」って考えてthat's allとしてそうな気丈でネアカのアブちゃんでした。

好きなアブちゃんは、Everybody Fitsのラスサビ前、舞台上手でビシーっと足を上げてからの(スタイルのよさもあって、静止ポーズとしての美しさがピカイチ!)、ラスサビの機敏なステップワーク。それと、I Believeの楽譜を取り出す前の一瞬、中空に視線をふと投げる、遠い日を思い出すようなお顔があまりにも神々しい。
2/5のマチネの常川アブちゃんがめちゃくちゃよくて、ご本人も一番入ってたんじゃないかなと思いました。いつもクスクス笑い声が出る「ピコ太郎事務所ともバージンレコードともソニーミュージックとも取引できないかけがえのない関係」のシーンで、気迫に呑まれた客席が水を打ったように静まり返っていた。
悲しいシーンをあくまで口調や表情は明るく演じられるとあんなに悲壮になるんだなあ。
2/5ソワレもよかったです、自分にとってのアルターボーイズを震えながら語って、どうしても詰まって続きが出ない感じの自然さに涙を誘われてしまった。

 

松浦フアン
関西人には多かれ少なかれラテンの血が流れていると思うのですが(テニミュ四天宝寺もラテン系でしょ)、それを体現するようなネイティブ関西弁のフアンちゃん。Goldのボーイズは、追っかけを獲得し~のところでニヤニヤしつつも(マーク除く)結局仲間うちで遊んでるほうが楽しいっぽいんですが、松浦フアンちゃんだけはしれっとグルーピーにお手つきしてそう。笑
少年ぽいキャラ造形やコスチュームに隠れきらない隠れセクシー担当。ご本人がチーム最年長ながら髪型服装相まってティーンのようなビジュアル、なのに瞬間瞬間でめちゃくちゃ色っぽいお顔をされるので、ギャップに撃ちぬかれたらもうフアンちゃん担です。
罪深い爆レスマシーン。今私と目を合わせてくれた! と思った人がたくさんいたはず。
グルーヴがすごくて、フアンちゃんのダンスを見ていると自分までリズム感がよくなったような気がしました。

サプライズバースデーのところでカラ元気→号泣の空気がしっかり共有されていないと、舞台側のテンションに客席が置いて行かれてしまって、ラストまで流れに乗れないまま終わってしまうんだなとプレビュー公演を見て思った。そう思うとかなり重要なポジション。プレビューではややカタかったのが、2/4マチネからはどんどんほぐれて(ややアダルト枠な!)アドリブも増えて、それに呼応するようにボーイズのかけあいのタイミングも滑らかになっていったように思いました。ムードメーカー!
聖歌集666ページ開いて! 開きなさい! が回を重ねるごとに力強くなっていって、そうこの気迫ですよこの気迫……って嬉しくなりました。フアンちゃんはギャップあってこそというか、前半で賑やかし担当だったのがLa Vidaから剥き出しの弱みだったり、真剣な顔を見せてくれるのにときめくので、落差があればあるほどよい。
新生REDの大久保フアンちゃんは、サプライズ失敗の直後から気持ちを切り替えて明るく話していた覚えがあって、松浦フアンちゃんはしばらく茫然自失というか、とにかくなにか話してみんなを安心させないとって思ってて、でもテンションがついてこないみたいな印象を受けました。
ライトが当たってないときに挟まれるちょこちょこ演技がどうしても見たくて、私の目今すぐ記録媒体になってくれ~~~って思わざるを得ない。フアンちゃん定点カメラ欲しい。

好きなフアンちゃんは、La Vida Etarnalのラスサビ前、マイク前で皆に囲まれているときに耳をふさいでイヤイヤをする松浦フアンちゃん。やってない回もあったんですけど、あれがあると気丈に立ち上がって歌い始めるところでよけい涙を誘うので好きです。
特筆して好きな表情は、サムアバのときの微笑み。カラっとした日なたのような印象が全部吹っ飛ぶ艶っぽい表情で、白旗降参しかない。理想の男の子という感じなので、舞台ビジュアルも写真にしてほしい。ランダムでも買うから。

 

石川ルーク
17歳! 一回絡まれる席に座ったんですけど、間近で見たお肌がぴかぴかツヤッツヤで、若さのエネルギーを感じました。確かに腕とか背中とかが華奢だ……
アルターボーイズ初演から観劇されているとのことで、「ファンが舞台に立ったような感じです」ってトークで仰ってました。夢があるな~!

いつも元気いっぱいでパワフル、お客さんにもガンガン目を合わせて絡むし歌声は力強いし、身のうちのエネルギーを持て余して自転車を蹴っ飛ばしてドミノしたり、右の頬を殴られたら左の頬を殴り返したりもさもありなんというルークちゃん。立ち姿はガニまた中腰、首もグイっと前に落ちてるザ・ヤンキー。
だからトークでの落ち着いた話ぶりだったり、パンフレット座談会での「自分とルークは正反対のタイプ」というのだったりを見ると、役者さんてすごいなあ~~というのを改めて思わされます。
新生REDだとでこぼこ歳の差チームぽかったり、Legacyはアブちゃんだけ少し年下っぽく見えるんですが(同級生設定だとは思うんですが)、Goldチームの年齢がわりと横並びに揃って見えるのはご本人の大人っぽさに因むのかな。
フアンちゃんが泣いてるときのスピーチ、困惑の仕方にもキャラ解釈が出るなあと思って、石川ルークちゃんは自分の発言がフアンちゃんをもっと傷つけてしまってやばい! て感じを醸し出している。ちっとも空気を読めないようで、実はすごく気遣いさんなところが強調されていて、石川ルークちゃんの回復センター行きの原因はそう破壊的なものじゃないのかもって思いました。
ルークきっかけで移っていくシーンが多いので、テンションの切り替えとかセリフ出しのタイミング取るのが大変なんじゃないかなと思いつつ、それを全く感じさせない熟練の演技。
とてもお若いという前情報を入れて見てしまうのが申し訳ないぐらいです。

好きなルークちゃんは、Body Mind & Soulの、コーレス終わりに「さぁ行こう!」っていうところ。言い方が超かわいい。あとマシューの告白のとき、グループ契約だと思って松浦フアンちゃんと肩抱き合って喜んでる石川ルーク。横顔が兄弟のように似ている。

ジェネリックABZとして本国CDをずっと聞いているんですが(amazonでmp3が買えるよ)、CDからそのまま出てきたようなノリを持ってます。The Miracle Songの冒頭で一気に場を盛り上げる口上は天才的。
それでもって声が若いんだよな! ティーンのハリ! 「ソウルセンサーの時間だよっ」のいたずらっぽいハネかた、ルークちゃんとしての発声のような、それでいてご本人の本来の声質がちらっと覗くようなバランスがたまらなくかわいい。
The Calling前の、主よ感謝します! で跪いているときの手がひとりだけ「押忍!」って感じでラブリー。

 

法月マーク
新生REDでは初々しかったマークがこんなに美しく強くたくましくなって……大山マシューと寄り添っていると熟年夫婦の安定感。Goldのパパとママだね。
前回のマークの、マシューのことが好き好き! 恋してる! 僕の気持ち伝わってる!? というのとまた違って、恋でもあるし、友情でも親愛でもあるような多層的な愛情があって、伝わっていてもいなくても、きちんと自分の中に気持ちを落とし込んでいるようなマークに見えました。
前のマークなら少しでもマシューに嫌われる可能性のあることはしなさそうだったのが、今回はワゴンぶつけのかわいがりへ……笑
動きひとつ、立ち方ひとつが絶妙にチャーミングで愛らしい。細身で背があるからしなって振り返った止め絵の美しいこと。
日を重ねるごと、独白の間の取り方を微調整されているのか天性のものなのか、語りがどんどん自然になっていって、人が進化成長する様子を生で見てしまい感動。舞台は生物という言葉の意味がようやっとわかった気持ちです。

Epiphanyはマークの告白こみで成立する見世物で、台本のある作り物です。だけど法月マークは、本当に大事に長せりふを言って、心から寂しそうに「アイノウ」と言う。
観客へというよりは、毎回小さい自分に手を伸ばして、そのままで大丈夫だからねって抱きしめてあげているように見えました。「法月さん演じるマークの、ABZライブにおけるお芝居パート」なのに、アルターボーイズのマークが、子どもの頃のマークに向けて語りかけているように映った。
私が受け取ったイメージだと、今の法月マークはいじめられた過去をきちんと乗り越えて自分の血肉にしている。大山マシューもそれをわかっているから「覚えてる? マシュー」でさあどうかな? っていうふうにおどけて微笑んで、「宇宙旅行しようって!」のところでとびきり楽しそうに笑う。舞台上にいるのに一対一で思い出話をしているような優しいシーンでした。
新生REDからバトンを受け取ったふたりの3年に渡る役作りもだし、たくさん共演してきた大山さんと法月さんの信頼関係を垣間見せてもらった気がします。

好きなマークはSomething About Youでうっとりマシューを見つめる法月マーク。メドレーのときの「アイノウ!」は明るくてパワーがあって、この4人には絶対嫌われない、大丈夫って自信に満ち溢れているような、ハッピーなEpiphany


大山マシュー
ダイナミックなダンス、表情や指先まで気遣われた演技、安定した低音になめらかなロングトーンまで聴かせてくれる歌。休む間もなく出ずっぱりで、水をかぶったような汗を流して踊り、シャウトし、長身を腰から仰け反らせる姿で会場を煽る若手チームの屋台骨!
歌の技術がまた一段と上がっていて、前回はファルセットだったサムアバのアウトロをきっちり地声で聞かせてくれました。
新キャスト3人が体格も似ていて小鳥3羽のようだから、上背のある大山マシューが並ぶとお兄ちゃんと弟のような、父と子のような愛らしさがあります。
お体は前回より成長していたものの笑、キレッキレのターンは健在で、スピードの乗った回転のたびに会場の空気ごとぐわんと動くような、胸のすくような気持ちがしました。すっきりしていてもたくましくてもかっこいいけど、今後のキャリアを思うと膝や内臓など痛めないようにどうか気をつけてほしい。
ふしぎなロゴのTシャツはディーゼル

新生REDの大山マシューを見て、ああこんなふうになりたいと思ったことを覚えています。誰かが辛いときには、彼がフアンちゃんにかけてあげる、いたわりに満ちて囁くような「大丈夫か」を言えるような人になりたい。
強くて優しくて力持ち、包容力を擬人化したらきっとこんなふうになるんだろうというリーダーシップ。そうかと思えばひとりソロ契約してしまったことを思い悩み、I Believeの最後までみんなの輪に戻って来られない弱いところもあって、あとこれは大山さんの演じ方への言及になってしまうんですが、ファンサはほとんどしないし(だからたまのウィンクや視線エリアにいたときのありがたみが高まるんですけど)、サムアバでのエンジェルに対する振舞いも東山マシューに比べると少しシャイ。
そういう前回感じたいいところ、かわいらしいところはそのままに、更にいいところをプラスしたGoldの大山マシューを見せてもらえたなあと思いました。
アフタートークで、今回はリーダーリーダーしない方向の演技プランでやってるって仰っていたこともあり、俺がチームを支える、リーダーでいないといけないという青い気負いみたいなものが薄くなって、一皮むけた印象。ほかのメンバーがきっちり自分の役割を果たしてくれると信じて、「俺たちの」チームを作るために己のパフォーマンスを尖らせているという感じ。
役作りのプランに加えて、法月マークとの共演で培った信頼だったり、積んだキャリアへの自信だったりで裏打ちされ、成立すべくして今回私たちの前に戻ってきてくれた大山マシューなのかなと思いました。
アップデートされたマシューを見られてもう思い残すことはない。けどまた見たい。

マシューはほか4人に比べて特筆すべきポイントのない「ふつう」のポジションです。ともすれば話を進めるだけの存在になってしまいそうな、「ふつう」担当のマシューを、今回観ているうちに、「ふつうってなんだろう」って考えるためのフックになる役割なのかなと思いなおしました。
前は引っ張っていく系のマシュー(全然そうじゃなかったよってアフタートークで法月さんが笑ってましたが)だったのが、今回はみんなと肩を並べながらも、ポイントできっちり締める感じのマシューだったように見えて、より属性のなさが際立っていたからそんなふうに考えたのかも。
「ふつうじゃない」人たちと一緒にバンドをやっていける時点で彼も「ふつうじゃない」人だし、じゃあ「ふつう」の人なんかどこにいるんだろうねって思う。

好きなマシューは、We are the Alter Boyzのイントロで暗い中不敵に微笑んで歩いてくる大山マシュー。ああ始まるんだ、と思わされると同時に、終わりの予感にどうしようもなく切なくなります。Body Mind & Soulでフアンちゃんをマグロ抱きするときに「うおおお」って低い唸り声が聞こえると、お体を大切に……と思う。


バンドの皆さんも楽しいシーンではニコニコ、辛いシーンではそれぞれに悲しく辛そうな表情をしているのを見ると、彼ら含むのアルターボーイズであることよ、と思います。
2/5ソワレかな? コンフェッションがやや滑ってアチャーってなったとき、演者が次の合図出す前にバンドさんが曲を始めた瞬間、めちゃくちゃ嬉しくなってしまった。
うろ覚えではありますが、前に大山マシューが東山マシューのすごいところについて「ボーイズメンバーだけでなくバンドさん、スタッフさんのこともよく知っている。まだまだ自分はその域に達していない」のようなことを言っていて、なるほどなあと思ったんですが、若手チームもしっかり支えられ認められ、信頼関係を築いて舞台にいるんだなあと見せてもらったような場面でした。

 

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平日だしプレビューで有休取ったから諦めてた千秋楽も、やっぱり追加してしまった。来月は塩舐めて暮らします。