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おポエム申し上げます

ALTAR BOYZ 2017 Team Gold観劇メモ/キャスト編(千秋楽後)

東京千秋楽おめでとうございます。
駆け抜けるような、それでいて浮ついた2月前半でした。飛行機のマイルが常になく貯まり、X年ぶりに夜行バスに乗ったけどマチソワ2.5DAYS with パイプ椅子よりましだった。

私の魂の浄化はひとまず今週末の大阪Legacyで終わります。
全体への感想はそのあと投稿するとして、Goldのキャストさんについて書き残しておきます。わけておかないとすごく長くなりそうだから……

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常川アブラハム
笑顔が晴れやか! だからこそ悲しいシーンの笑顔はいい意味で違和感があって、目を吸い寄せられるようでした。
技術力の高さ、それも地道にトレーニングをして色や癖を塗りつぶしたような、清潔な完成度の技術をお持ちだなあと思います。静止したときのポーズとしての美しさは随一! 動きが流れてなくてひとつひとつタメとキメがあるから、どのシーンで切り取ってもきれいなんだろうなあ。
アドリブも、しゃべりや演技で挟むのじゃなくて、歌のフェイクとかダンスで日々変化をつけていて硬派。彼の周りだけ重力働いてないのでは? というほどジャンプが高い。


アフトクで第四の壁の話したら天然さんエピソードのひとつとして巻かれてしまった話をツイッターで拝見して、なんて控えめで可憐なんだ……と思った。学問として演技とか舞台芸術の歴史を勉強している俳優さん、しかも若く顔がきれいというくくり、なかなかない強みになるのではないでしょうか。
これから自分のカラーをどう主張していかれるのか、楽しみにしたい役者さんだなと思いました。きれい系じゃない役柄、悪い男とか汚いビジュアルで見てみたい。
トークパートで何度も「お前の言葉には心がねえ」って言われてて、ミュージカルサイボーグだ! って沸いた。


石川ルーク
真顔のお写真が多いので、ぱーっと笑うと頭の中が「超かわいい」「ぎゃんかわ」で占められてしまう。参りました。
舞台を見るとき、体の横に垂らした手の扱いを結構注視してしまうのですが、ぎこちなさがなくてずっと見ていたくなる。舞台上でオフの部分がない俳優さんが好き。
コンフェッションのアドリブでマシューマークの名前を呼び間違えてしまったときも(ややこしいよね)役からはみださず、ルークとして処理して流れに戻したのにおっ、と思った。頭の回転が速い!
ダンスのとき、体を大きく見せる動きが巧みで、だからこそアイビリ前のアブちゃんの語りのときの背中が際立って小さく見える。心底悔いている気持ちが伝わってきて、ルークちゃん泣かないで! 悪いのはルークちゃんじゃなくてストレスだから! 大丈夫だから! ってかばいだてしたくなる。

横顔、特にあごから耳にかけてのラインが美しい。限りなく直線に近いフリーハンドという感じで、神様が彼を作るとき注力した部分に違いありません。松浦フアンも似た輪郭なので、正面顔を見るとそれほど似てるなと思わないのに、横向いて並んだときだけ兄弟を見ているような気持ちになる。


松浦フアン
サービス精神旺盛で、音にハマったキレキレのダンスが気持ちよかった!
彼が「純潔無垢、道徳的でっしゃろ?」って小首を傾げたら全力でうんうんうんと頷きたくなるような、スキル:チャームのフアンちゃん。役柄として好きに決まってるのに、顔もスタイリングもいいってどうしてくれるんだ!! キーッ!! って発狂しながら見てました。twitterたくさん更新してくださってありがとうございました。

twitterやなんかで知った情報だけの印象論ですが、身ひとつ、技術ひとつで食べていく! という独立心、度胸が役柄と重なる部分があり、とても生っぽい、あと何度も言ってるんですがめちゃくちゃ色っぽいフアンちゃんだったなと思います。ティファナの修道院では尼僧にちやほやかわいがられて、アメリカに出てくるときもちゃっかり女性ドライバーの車ばっかりに乗せてもらってそうな……。
若手チームは毎回違ったキャストが集まって(続投ありましたけども!)、違うカラーのチームができあがることも魅力のひとつなんだろうと思うのですが、願わくば更にバージョンアップしたフアンちゃんを再度拝見したいと思わせられる、役の器に魂の形がフィットした好演でした。


法月マーク
すらっとしていて表情が大きいから最後列で見ても気持ちが伝わってくる、稀有な華がある方だなあといつも思います。オペラいらず。
他の舞台でも何度か拝見する機会があり、ハイトーンパートを担当されていることも多いのですが、それはもう喉に負担がかかるよねえ……。千楽はきれいに伸びる高音が聞けて嬉しかった。ディーヴァかな?(妄言)
見た中だと、2/11のEpiphanyがすごく好きだった。プレビューから3日間は内にこもっていくようなふうに見えて、そのアプローチもよかったんですけど、会場のひとりひとりに語りかけるようなEpiphanyもやっぱりいいなあ!
推してる人がうらやましくなるくらい熱の入ったセリフ~歌でした。最後のこぶしを突き上げるところの迷いないくしゃっとした笑顔が素敵だった。

「いれてちょおだあ~い」が日ごとにねっとりしていくのが楽しかったです。La Vida間奏の猫ポーズ、日替わりじゃない! 自信を持って我々へお届けされている! と思ってやたらウケてしまう。
千楽挨拶で、「絶対5人で戻ってきます」「僕もこの5人で戻ってきたいです!」ってみんな強い言い方してた最後に「私も~」ってゆるめの締めだったのが絶妙でした。アフタートークの進行の弛みのなさは彼の手腕に他ならない。


大山マシュー
100回ぐらい言うんですけど、私はマシューがフアンちゃんを抱き寄せながら言う「大丈夫」が大好き。マシューというキャラクターをぎゅう~~~っと詰めた魅力おとどけパックのようなセリフ。
私が見たマシューは東山マシューと大山マシューだけなんですが、サムアバひとつとっても違うところがいろいろあるふたりのマシューをベン図で表現したら、私の中ではあの部分できれいに重なります。
新生REDで大山マシューに心臓撃ち抜かれたセリフが、Goldでも変わらないアプローチで発されたこと、よくよく感謝し続けていきたい……2014クリスマス合同公演以降、新宿faceの亡霊だった私は無事に浄化されました。ありがとうございます。

セリフがないときでもダンスでも、しぐさや体で感情を能弁に伝えてくるような俳優さん。よい意味で、自分と役を切り離した部分、全体から一歩引いた視線を持って舞台へ臨んでいる人だなと思います。
ルーク的な役が多いと座談会でも書いてありましたが(確かに)、今回みたいに調整役のようなキャラクターでももっと見てみたい!
もし3度目の続投があるなら、役としても公演を率いる座長としても一段と重みの増すポジションになると思います。それを乗り越えた上で作られた新しいマシューを、また新宿faceのステージで見ることができたら本当に幸せです。
 
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アルターガールズの皆さま、カンパニーの皆さま、ひとまずお疲れさまでした。
未見の方、今週土曜の大阪公演・月末の合同公演はまだチケット買えちゃいますよ! 行こうよ教会。

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