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しづ心なくインターネット

おポエム申し上げます

Thrill me(2017韓国版)観劇メモ

できるなら記憶を消してもう一度観たいミュージカルナンバーワン。
エア手配の翌日に渡航注意が出て青ざめたりしましたが行ってきました。
チケットはインターパークで。YES24も試したけどうまく登録できず。
3月末、そろそろ観にいっとかないとな~来週とかどうかな~って余裕こいて残席チェックしたら、週末はかなり先までチケットなくてヒヤッとした。
1時間くらいリロードしまくったら今回取った席が出てきたので慌てて予約。

会場はベガムアートホール、COEXと同じ三成駅から歩いて5分くらい。ABCホールのようなこぢんまりしたサイズ感。
チケットボックスで予約メールを見せたら紙のチケットを渡してくれました。
セットも日本で見たのとほぼ同じ。銀劇では木の柱が立っていた気がする。
裁判所のときのライティングは、日本では「私」に四角く切り取られたスポットが当たっていたのですが、韓国では普通の円スポットでした。

1924年のシカゴで起きた実際の犯罪「レオポルドとローブ事件」を下敷きに書かれた、もとはオフブロードウェイの演目。
誘拐殺人の罪で30年近く模範囚として服役した「私」は、仮釈放の審議会にて、共犯の「彼」との間に何があり、どういう経緯で犯行に及んだかを陳述します。
まだ20代だった「私」と「彼」はそれぞれ裕福な家に生まれ、幼馴染として育ちました。周りの人間を見下し、ニーチェの超人主義に傾倒している「彼」は、自分の優越性を社会へ証明しようと犯罪に手を染めるように。「彼」に心酔している「私」は、「彼」の計画に関わり、最初は廃屋への放火や窃盗などの軽犯罪、そして児童の誘拐殺人をきっかけに逮捕へ。
出演者は「私」と「彼」のみ、男性俳優の濃密なふたり芝居。セットもシンプルで、大掛かりな転換はありません。劇伴は生ピアノ、以上。客電が落ちるとまずピアニストの方が、舞台上手の高い場所へ設置されたアップライトピアノへ。生演奏という公演ごとの一回性と、全体的にテンポ速めの曲目に、いやでも高まる物語の緊張感。
不要なものをとことん削ぎ落とし、韓国版と、それを基にした日本版では役名すらない、生々しい感情のぶつかりをじりじり見守る90分です。実際の殺人シーンは描写されることがないので、血や暴力表現がダメでも見られると思います。

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今回見たのは「私」がカン・ピルソクさん、「彼」がイ・ユルさんの組み合わせ。
カン・ピルソクさん、お顔が小さ~い……鼻筋がすうっと通っていて、なのに鼻先が丸いのがあまりにチャーミング。
童顔で穏やかな雰囲気で、本編でめがねをかけて出ていらしたときはどこか神経質な印象を受けました。紺スーツで銀行員ぽかったせい?
イ・ユルさんは男性的な外見で、ピルソクさんとほぼ頭ひとつ分の差があった。前髪を上げていらしてブラウンのスーツで、スタイルばつぐんでした。腰の位置が高い!
今回の「私」は品よく知的、「彼」は厭世的な意識高い系大学生という感じ。
日本で見たのは尾上松也さんと柿澤勇人さんのペアで、そのときは「私」のほうが背が高くて、穏やかで頭の回転が少しゆっくりめ(その役作りが後半でめちゃくちゃ効いてくる!)/「彼」が細身で神経質で若さと全能感に満ち溢れていて、という感じだったので、ペアによってまったく印象が変わってくる話だなと思います。

もう結末を知ってしまっているせいか、ピルソクさんの「私」は最初からどうしようもなく悲しい空気を纏っているように思えました。ふたりでいる時間を無邪気に楽しむだけではいられない、「彼」を自分だけのものにするにはどうしたらいいのか、いつも少しだけ考えているような「私」。
廃屋にガソリンを撒くとき、子どもを誘拐してきて殺そうという「彼」に賛成するとき、「私」が抱えた悲愴さが炎のように垣間見えます。「彼」に絶対的に賛成の立場じゃない、自分たちのやっていることが関係者に与えるダメージをきちんと認識できる、それでも「彼」へ寄り添ってしまう苦悩。やっていることは犯罪だし、動機も利己的なんですけど、あえて辛い道を選ぶ殉教者のような清潔さ、気高さがある。
ただ、「私」は確かにそれを喜んでいる。罰されるかもしれない、罰されたいというマゾヒスティックな欲望が、虫も殺さぬような顔をした「私」が熱望しているスリルだったのかなと思います。
「彼」は、放火や強盗で一瞬楽しそうな顔を見せても、すぐにつまらなそうなつんとした表情に戻ってしまう。なにをしても満足できない心を煽り立てるように犯罪へ走り、キスやそれ以上のことまで共犯契約の対価として使ってしまう捨て鉢さ。お前がいないとだめなんだと歌い、犯罪の観客として「私」の目を必要としながら、本当は自分自身にも興味がないように見える「彼」。
反対に「私」からは、自分の中へ閉じていく強い自己愛を感じました。「彼」に対して一般的にいう性愛があったのかすら危うい。尾上柿澤ペアの「私」は、「彼」がいなくなったら死んでしまうような個人への執着がありましたが、ピルソクユルペアの「私」が求めていた「彼」は、あくまで理想としての存在で、肉体として必要としているかというとまた別のような。
「彼」を自分のものにしても「私」が満足することはなく、どちらかというとまた奪われることに喜びを感じていそうな「私」という私見です。

セリフや歌詞を理解しながら観たらまた印象も変わりそう。
韓国語はさっぱりなんですが、日本版観たことあるしOSTスピードラーニング効果で大筋はわかるという感じでした。
共通した発音の単語もあるから、A Written Contractで「ケヤクソ」って出てくる度にハッとした。契約書!
男ふたりの情念が煮詰まっていく過程と、その末に待っている爆発には、韓国語の激しい響きがまあよく似合いますね。

最初のキスシーン、「彼」のほうが上背あるのでどうするのかなと思って見ていたら、長い脚をかがめるでもなく顔だけ傾けて掬い上げるようにいったので、頭がおかしくなった。
そのときは応えるように顔の角度をつけていた「私」が、「私」をなだめすかそうとして「彼」がするキスを拒むときは、そっと顔を背けることで成立させなくするの、シーンの対比として鳥肌ものでした。

とにかくピルソクさんがラブリーだった。お顔もコメディシーンの演技も。
「彼」を待つシーンでニコニコそわそわチョロチョロしているところとか、A Written Contractの前、寝るからって言う「彼」に膝枕してあげる! って膝をポンポン叩くところとか、スイートすぎてオペラ覗きながら半笑いになった。
一変して、Everybody Wants RichardとかMy Glasses/Just Lay Lowの激した表現もよかったなあ……ソフトな見た目なのに声量あるし音も外れない。迫力ありました。

カーテンコールでは半分くらいがスタンディングオベーション。最終日というわけでもないのにあの熱狂は演目だからなのか、もともとの観劇スタイルがああいう感じなのか。
客席にお辞儀をされる演者さんへ、拍手に加えて声援で応えるのも日本とは違って新鮮でした。

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渡航目的の大きなひとつ、マグカップ。iPhoneケースもかわいかったんだけど私のiPhoneは残念ながらSE。
グッズもカードで買えるのすごい。

pokos.hatenablog.com

チケットの取り方、上記を参考にさせていただきました。ありがとうございます!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"勝者と敗者" 観劇メモ

舞台版ハイキュー1作目を見たときの高揚が今でも忘れられない。
アンケートは表面だけで足りなくて裏面にもびっしり書いて出したし、アイアから渋谷駅へ下っていく道を元気よく歩きながら譲渡を探しまくった(歩きスマホはやめましょう)。
2.5次元の新しい幕開けを見た! と大興奮した、そんなハイステももう4作目。今回もなんとかチケットのご用意に成功して観にいきました。

回転する機構を備えた八百屋舞台は健在! 照明を仕込んだ2代目になったとのこと。前回を最後になくなってしまうというのを見て残念だったのですが、外観はほぼそのままにバージョンアップしていたので嬉しい。
TDC未訪なので梅芸で見た感想ですが、すこんと天井の高いアイアに映えるセットだったろうなと思います。
特に上階から見下ろすと舞台上部が視界を遮って圧迫感があったので、2階前列よりは1階後列で見上げるほうが好みの視界になりそう。背景の映像パネルも見下ろしだと、照明でやや白飛びします。
今回はせりあがる足場やフライングで空間を縦に使う演出がたくさんあり、視覚の情報量が多くて、いい意味でどこを見たらいいのかわからなくなった。ウォーリーを探せを見ているような気持ちになりました。目が最低4つぐらいほしい。
青城のメンバーそれぞれが白い布を手に出てきて、それを小さいスクリーンに見立ててバレーボールを投影するの、立ち位置や投影がちょっとでもずれたら目も当てられなくなってしまう演出に挑んでいくのが最高。
そして幕代わりのスクリーンに大写しになる遊馬及川さん……私も梅芸大ホールの舞台いっぱいに顔が写ったことがある人になりたい! サマージャンボ当たったらやります。 

照明がかっこいい! 1作目見たとき知人にそういう話をしたら、照明作り業界では超有名なスタッフさんだと教えてもらいました。
今回は舞台自体、床も壁面も一体になってびかびかに光るのでMステじゃん! って思った。試合中、ボールが光で表現されてレーザービームみたいに床を横切っていくのがきれいだった。

ハイステ、歌わないけどミュージカルっぽいと前から思ってて、リプライズ曲が多いからだというのを思いつきました。
調を変えたり、これまではメロディだけだったエンディングに歌詞がついたりと、同じ曲がアレンジされていろいろなシーンで流れるの、脚本自体も印象的なシーンを繰り返す構成なので相性がいい。
もともと和田さんの曲が好きで、和田さんが音楽担当なら外れないでしょ! と思って1作目のチケットを取ったので(見終わった後のアンケートもサントラ出してくださいって3回ぐらい書いた)、今回も大満足。
青城は管弦メインで優位チームの余裕めいた軽やか華やかな編曲なのに対して、烏野はパーカスと低音ゴリゴリの荒々しいアレンジで、ダンスもバレエ風・群舞のように揃った振りつけの青城、ジャズダンス・ヒップホップやハカを思わせる動きの烏野と、耳・目でも対比がわかりやすいつくりで楽しかったです。
舞台って総合芸術なんだなと、ハイステを見ると毎回改めて思います。

気になったのは説明的な演出が増えたことで、セリフやト書きが背景に投影されたり、フライングなどでカンパニー側が伝えたいメッセージがわかりやすい反面、もう少し観客の想像の余白があってもよいのではないかなというのが個人的な感想です。「その夜」って文字で説明されなくても照明が暗めになって虫の声が聞こえれば夜だなってわかるし。
コメディ要素と回想も多くて、試合の流れに集中しきれず……ギャグで気持ちが緩みすぎてしまって、感情の動きにうまく乗れなかった。
とはいえ、見る前はほぼ3時間!? 3章立て!? と尻へのダメージを思ってぞっとしていたんですが、気がついたらカーテンコールで、テンポのよい展開ありがとうという思いです。
なにより実際の試合と同じ3セットを、一般的な上演構成の2幕に凝縮しないで見せるというのに意味があったのだな……
でもやっぱり平日に22時過ぎて終わるのは、家遠い人はおつらいでしょうね。実際本編終了時点で退席していった人多かった。梅芸、駅からちょっと距離あるし……

「セッターへようこそ」が今回イチで好きなシーンです。
オーケストラとバレーボールの試合というまったく異なる分野のものが、あのシーンで融合して、なんというか宇宙を感じた……
烏野ではみんなのためにバレーする、バレーを手段にするのが正道で、自分が好きなバレーをしたいと思うこと、目的化するのは邪道寄り。
それに自覚的なのが覚醒前月島、無自覚なのが今回までの影山だと思うのですが、スガさんと研磨の人のためにバレーをする組がタクトを振って、影山が自分の手でゲームメイクする有機的な喜びに目覚める瞬間が描かれていたの、すごくよかった。
異分子の融合で爆発力が生まれるのをダブルで表現した、とても気持ちのよい話と演出でした。
あと、手をつないで重心を外にかけながらゆっくり回るシーン(上手い表現が思いつかない……)が好き。
初演・再演だと日向と影山が町内会との試合でやってたり、今回だと影山と及川がやったのが印象に残ったのですが、影山及川ペアは及川が影山より優位で振り回すような感じ、日向影山ペアは絶対的な信頼を感じられる安定した動き。
いろいろな組み合わせのペアが同じ動作をすることで、それぞれの違いが浮き上がって見える、面白い演出だと思いました。これもリプライズ。
どちらかが手を離したら転ぶような危ういモーションを、舞台という絶対にやり直しできない場所でやること、めちゃくちゃ緊張感があるし、見るといつも涙が出る。

体を上手に扱う人たちだな~と思うのは木村達成さんと音駒ペア。
永田崇人さんは立ち方から猫背で役柄そのもの、「演じている」「段取り」感が伺えない。近藤頌利さんはジャンプのときの高さと滞空時間の長さ、背筋のしなりが美しくて、音駒ふたりのシーンは、他2チームより半分以下の人数なのに存在感がすごい。
シンクロ転回や、ただ動き出すだけでも妙にゆらっ、ぬめっとした動物っぽい動き、コンテンポラリーダンス見に来たんだっけ? という気持ちにさせられる。
セッターの働きを指揮者にたとえて各校セッターが指揮をするマイムがあり、木村さんがあまりに体に馴染んだ動きをされていて(音楽未経験者の感想です)、体をコントロールすることとリズム感にものすごく長けた方なんだろうなと思った。そのあとパンフの「誰にも負けない! というものは?」という質問に「運動。できなかったアクションも運動もない」って答えてるの読んで頭がくらっとしました。かっこいいです! かっこいいです!
今回おおっと思ったのは秋沢健太朗さん。感情を観客へ届ける表現がめきめきうまくなっておられるなと思います。再演で初めて拝見したときは、声と迫力でモップが倒れる! というシーンで「演出なのでモップが倒れました」という感じだったのですが、回を重ねるごとに部長らしい説得力が備わっていって、今作の試合が終わって日向を抱え起こすときの「謝るな」の威厳と、そのあと負けた悔しさを抑えて後輩を優しくねぎらう声の落差がとてもよかった。2.5次元の面白いところ、キャストを定点観測することができる部分で、その面白みを感じさせていただいたことに対する感謝のブロマイド購入をした。

今回、初回を見たとき感じた「板の上で漫画をしている」感が薄くなってきたように思いました。
舞台版ハイキューを見たとき、「この人たちは舞台で漫画を再現しようとしている(のでは)」と思って鳥肌が立つほど感動したのでした。原作ベースで舞台をするのではなくて、舞台を原作に近づけていこうとしている結果の止め絵のようなラストシーンだったり、漫画のコマを使ったキャストパレードだったりがとても新鮮だった。
徐々に舞台オリジナルの要素も増えていて、舞台として独立したコンテンツになっていくのかなと思います。ハイステとしても、原作の区切りとしても大きな章がひとつ終わったんだなと感じました。
限りなく2次元に近かったハイステが、4度の舞台を経て3次元へ近づいていく。
次はどういうふうに驚かせてもらえるのか期待しかないし、次回も絶対にチケットをご用意してもらう。

 

www.engeki-haikyu.com

柔道少年観劇メモ

一回寝かせてから投稿しようと思ったら寝かせすぎた。

千秋楽おめでとうございます。最近重めの話ばかり見ていたから、久しぶりに交じりけなく「わーっ楽しかった!」ってABCホールを出ました。
青森弁の響きがなんともチャーミング。青森出身三津谷さんだけ英語混じりの標準語なのが二重で面白かった。
韓国エンタメのストーリーテリングの、無理やりな話運びだなというところを、こまけえことはいいんだよ! で強引に展開するパワーが結構好きなんですが、今回の脚本のそういうところも中屋敷演出のテンポのよさ、スピード感とマッチしててすごく面白かった。韓国版の演出でも見てみたい。


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けっぱれ、語源は気張れ。気を張り続けろなんて残酷だと思う。受け身で畳を叩く音を持続低音として、被さるような「けっぱれ」がミヤザキシュウトへ降り注ぐ。
みんな夢をミヤザキシュウトへ仮託する。後輩たちも先生も家族も。肩に乗せられた期待の分だけ苦しくなって、逃げるみたいに練習をさぼる。
だけど、苦手な絞め技に耐えて首を痛めても、自分でやるって決めたことを最後までやり抜いたミヤザキシュウトは、憑きものが落ちたように笑いながら出てきた。表彰台に立てなくても、好きな人と付き合えなくても人生は続いていく。
諦めなかったら終わりじゃないというフレーズが何度も出てくるとおり、やり通すことを知って、今の自分の身の程を冷静に見ることができたミヤザキシュウトは、大学での再起もあり得るんじゃないかと思えるエンディングでした。

一方のところ、役名=俳優さんのお名前だったことと、これは勝手な話なんですけど、若手俳優とはいつまで若手俳優なのか、肩書から若手が取れるのはどういうときかみたいな話を最近したこともあって、柔道と若手俳優が芝居をすることを重ねながら観てしまった。あまりよろしくない観客ですね。
同年齢でも若手のラベルがつかない俳優との違いとして、夢を売る、アイドル的な要素が大きく組みこまれているのが若手俳優だと思っています。
顔のいい男とチェキが撮れたり握手ができたりすると、次の日すごく元気に動けたりするので(あれなんでですかね?)その距離感の近さがありがたい反面、色恋沙汰で炎上しているのを見ると、歌手とかほかの俳優よりガッカリ度が高いのも確か。職業と顔の良さ以外はふつうの人であろう彼らに過剰な夢を見ているなあと思う。
舞台上で熱量の高い人生を過ごしている若手俳優を見ると、自分が努力しないまま満足感は得られる。自分は2時間ただ座っているだけなのに、チケット代を払うだけでなにかやった気分にもなれる。
舞台と客席の間、1メートルにも満たない空間には、実距離以上の隔たりがあるような気がしていて、がんばれ、望む姿を見せてくれって気軽に投げかけているけど、同じ人間をコンテンツとして消費している自分に時々うすら寒いものを感じます。
感じるだけでやめないんですけど、そういう部分があることに自覚的でいたほうがいいなと思う。

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宮崎さんはどんな役をやってもうっすらご本人の地が見えるところが魅力だなあと思います。ひねたように先生に反抗するところでもかわいげがあるんだなあ。
マイク使ったお芝居しか見たことなくて、もともと声量小さめなのか喉痛めてしまっているのか、はたまた演技プランなのかわからないのですが、だからこそ声を張った「青森体育高校! けっぱれーっ!」がとてもよかった。
サクライさんに一目ぼれしてポワワ~ってなってるところ、かわいいの精かよ……って思った。

荒井さんは数年前にギャグ百連発してた方とは思えないイケメンおにいちゃんでした。
発声がめちゃくちゃよくて、ほぼ最後列にいたのですが語尾までとてもクリアで聞き取りやすかった!

池岡さん、一時顔が死んでたので今回お元気そうで安心しました。
池岡さんのお芝居は、バックグラウンドを想像させるというか、この登場人物はこういう子供時代を過ごしてきたんだろうなというイメージが沸くところがすてきだなと思います。
エネルギーの塊のような役どころというか、韓国映画に絶対いるかわいい犬タイプのキャラクターだ! やったー! って思った。しんみりするシーンでもあくまで明るい演技プランなのが最高。

呼吸をするように笑いを操る男、三津谷さん。これまでシリアスな役どころでしか拝見したことがなかったので、ギャップもあって嘘みたいに面白かった。ミッチェル体操の小気味いい動きに死ぬほど笑った。
笑わせるだけ笑わせておいて、笑いに絶対被せずセリフを始めるところ、テクニカル~~!!間と呼吸が絶妙。銀河鉄道の夜とか朗読してほしい。

桜井さんは一挙一動にきらきらした擬音がつきそうな愛らしさ。アクティブなミナミさんもアライおにいちゃんの妄想上のミナミさんもとてもかわいかった。あんなかわいい子に「おにいちゃん♡」て言われた日にはそれはもう好きになるでしょ……歌がアイドルど真ん中で超よい。

小林さん、やっぱりベテランの方がいると舞台の空気が違います。ミヤザキシュウトに期待かけて悪かったって謝るところで泣いてしまった。


アフタートークのゆるゆるした感じ、BOYS TALKトーク舞台)を思い出してよかった。2を見たんですけど、平野良御大が放送コードギリギリで愉快でした。クリエさんもう一回やりませんか? 

観劇予報 : 『第2弾 BOYS★TALK』佐藤永典・宮下雄也 インタビュー

メサイア-暁乃刻- 観劇メモ

大千秋楽おめでとうございます。冒頭から強めのメサイアぢからにやられてしまい、今すぐ椅子に縛りつけてくれ!! と思いながら見ていた。


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人でいることをやめたふたりの男の話。有賀と間宮、有賀といつきが感情のない機械から人間に戻ってきたのとは対照的な在り方でした。

いつ死んでもいいと思っている人間は強い。護のために居心地のいい夢の世界を捨てて現実へ再生した淮斗が、護のためいのちを擲つのは彼にとっては当然のことで、納得してしまうけど、その盲目、迷いのなさが私のような常人にはおそろしい。
見ていて月の兎の説話を思い出しました。彼らなりの信仰に殉じて、炎に身をくべても構わなかった兎と淮斗。質量保存の法則のように、一度失われようとしたものを蘇らせるためには等価のエネルギーが必要で、それが有賀にとっての間宮であり、護にとっての淮斗だったのだと思う。
護は淮斗にとっての光だったから、それが消えてしまうことは自分の体を失うより耐え難いことだったんだと思います。
ただ淮斗も確かに護を照らす光で、淮斗がいない世界をどうやって生きて行けばいいってよろめく護、淮斗失踪の理由を任務復帰してすぐに聞かされていたら自分を許せなかったかもしれないと這いつくばって震える護の激しい執着を見ていると、護は鋼の章で命を捨ててでもこの世界を守りたいというようなことを言っていたけど、本当に彼が守りたかった世界はあくまで淮斗がいるのが前提だったのかなと思いました。
肉体をなくした兎は月へ、海斗は電子の海へ。淮斗は死してなお月として傍にいることで、世界を守りたいという護の意思を支えていく。壊れやすいふたつの卵だったふたりは、ひとつの鋼として結実してしまった。あえてしてしまった、と言いたいような、ぞわっとしたものが残る観劇後だった。

精神ってなんだ……人を人として規定づけるものはなんなんだろう。
人工知能のことを人間だとは私は思えない。少なくとも今のところ。でもエンディングで、何もない空間に微笑みながら拳を触れさせる護は、淮斗の生を心から信じていると思う。
一番怖いメサイアだ。淮斗がこれから肉体的な死を迎えることを護は考えなくてすむ。護はもうほとんど死の世界にいて、人間の道理を飛び越えてしまっているように見える。いびつになってしまった魂の切り口がぴったり合う相手を宛がわれることでどうにか永らえてきた人たちがサクラで、片割れを奪われたサクラは一度壊れてしまう。
だからこそ有賀と護が最後に銃を交換するシーンは、合わせる拳をなくした(ことのある)ふたりが、生にしがみつくためのかすかな糸をそっと確かめる儀式のようで、とても美しかったです。
メサイアでは正義の味方を守ってくれる人がいて、それが重い展開の中での唯一の救いに思えます。ひとりで闘わなくていい物語だなと思っていつも泣いてしまう。

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赤澤さん、廣瀬さんのいない中存在を意識させ続けるお芝居、シリーズを背負う重みだけでない気迫を感じました。チャーチの掟を咆哮するごとく声張り上げるシーンは自然に涙が出てしまった。淮斗の死へまだ感情が追いつかない苦しさと、真意を知ったことで生まれた多幸感のモザイクじみた演技、鳥肌ものだった。「むごいことを……」っていうところ、一切赤澤燈さんの見えない、白崎護が発した声のように聞こえて、怖ろしい俳優さんだ……と思った。
井澤さん、いや~仕上がってる~かっこよかった~メンノンだった!笑 手足の長さがはんぱないので回し蹴りのアクションが映えること! 有賀が急にモテモテになったので動揺した。鋼は配信を見ながらメモ取ってみたのですが、サルベージついでに残しておくと、任務に失敗したサクラを助けられるのはメサイアとして結びついた相手のみで、間宮に自ら手を下すことで、間宮をメサイアとして終わらせてあげられたのではないかと思いました。サクラは戸籍も国籍も持たない不確かな存在で、だけどメサイアだけがお互いの人間としての輪郭を浮き上がらせることができる。
杉江さんはいつみても体術の美しさに惚れぼれしてしまいます。跳んだ時とか攻撃モーションとか、アクションひとつひとつに止めがある気がする。いつきが、おじさんのことは自分でかたをつけなきゃ、と突き進んでしまうところ、男の子っぽいわあ~と思う。そして男ピエタ……膝抱きがあって、メサイアがある。ここテストに出ます!

新人トリオはこれからキャラクターが深掘りされていくのが楽しみ! 一嶋さん好みのペアはまあ万夜さんと小太郎くんだと思うんだけど、じゃあ洵くんのメサイアはどうなるの誰になるの!? 3人がこれからどう変わっていくか見守っていきたい。
長江さん、カテコまではキャラとしてお辞儀も浅めニヒルな微笑みだったのが、ダブルカテコからは深々と頭を下げてらしてギャップ100点。アフトクで「有賀と万夜、船のシーンで銃をぶつけてから袖を出るルーチンをしている(自主的に)」「いつも有賀からぶつけてきて、万夜は自分からはいかないって役解釈。でも大阪ではなかなか有賀がぶつけてこなくて、視界に入るところで銃を上げ下げしてアピールした」ってエピソードを話してくれて、森ノ宮ピロティホールに天からお迎えがきそうだった。危なかった。
沖永さんは体がしっかりしているから立っているだけでかっこいいなあ。戦闘に入るときの構え、何度でも見たい……ご本人はカンパニーのいじられ役としてキャラ立ちしているようで、でもニコニコしながら受け入れているの、もう既にお母さんでした。
橋本さん、よき眼鏡だ。情緒が発達していくのを心待ちにしています。一嶋さんとのご関係が明かされるのも。

ドクターズはチャーチのセキュリティをもっとちゃんとしてください。毎回クリアされるガバガバセキュリティシステム。安里さん、耳慣れない単語も多いセリフなのにすごく聞き取りやすかった。若手くくりの中でもトップクラスではなかろうか。大塚さん渋い~~ドクターが俺のやりたい研究組織の方向じゃないって言ってたのはネクロマンサーに対してなのか、チャーチの研究班としてのことなのか気になる。ドクターチームのバックグラウンドも教えてほしいよ~
伊藤さん、顔が可愛すぎないか? あのラブリーさ、出世の邪魔にならないのか? 周ちゃんとはどういうご関係なのか。名字が名字だし、お母さんつながりでしょうか……あの若さ熱さを変な方向に利用されないでほしい。

山田さん、ビジュアルも演技もなにもかもがよすぎた……思い出すだけでIQが3まで下がるのでコメントを差し控えさせていただきたい。ちょっと調査兵団っぽい(白パンツロングブーツ)。荒木さんは今回限りがもったいなすぎる! 声に深みがあって、高笑いの響き方が聞いてて気持ちいい。チェーカーとサリュート、見た目がややかぶってたから嫌な予感はしていた……残念。
小谷さんのメサ衣、見栄えがする~重くなる話の中でコミカル要素を一手に担ってきゃぴきゃぴする黒子ちゃんの安心感よ。そしてオネエ口調キャラの男モード、テンプレながら、ウッ好き……とならざるを得ない。

ベテランチーム、アフトクのときサーっとでてきて客席を沸かせるだけ沸かせて何もしゃべらず帰っていった。
中原さんのアクション、目と脳がバカになった。まだメサイア見てない人でメガネ参謀が好きな人で戦闘用義肢好きな人、絶対に今回の一嶋さんバトルシーンを見てほしい。
大澄さんがいるだけで舞台が締まる。立ち姿とスラックスの折り目が美しい~っ 志倉さんのやってみろ責任は取るってマネジメントスタイル、しかも後ろでいろいろ調整はしておいてくれる感じ、こんな上司が欲しい! って思うけど、彼の下だと私は全く昇級コースに乗れない気がする。志倉さんの部下がグエンちゃんでよかった。

今回、護が拳を合わせるとき、姿がなくてもそこに淮斗がいた。いつか赤澤さんと廣瀬さんが揃いのメサ衣で舞台に上がることがあって、袖にはけていくのを見送ることができたら、私の中で白崎悠里ペアは本当の卒業をみるのだと思います。

というのを書いて推敲している間に、大千秋楽でメサ衣着た廣瀬さんが花束持って登場されたんですってね。そうしたらもう鐘を鳴らして、盛大な拍手で見送るしかできないなあ。
改めて、大千秋楽、卒業、おめでとうございます。夜を越えていくメサイアたちに幸多からんことを。

ALTAR BOYZ 2017 Team Gold観劇メモ/全体編(千秋楽後)

Legacy千秋楽おめでとうございます。
それぞれのチームの千秋楽が終わったところで春一番が吹いて、今週末には冬も終わりそう。ABZのことを思い出すときは、冷たい冬の空気と、会場の熱気でコートいらずのままどこまでも歩きたくなる高揚感がワンセットです。

 

衣装
大山マシューのジャケットとTシャツの間に挟まってるひらひら、Regendの森ルークちゃんメドレー衣装が好きだったので(シースルーひらひら)嬉しかったです。大山マシュー足でっかいな……ブログで髪が赤くなっていたのを見て「私の好きだった大山マシューは2.5次元の向こう側に行ってしまった……」ってちょっと鬱ったんですけど、実際に見たら「Gold大山マシューサイコー! 一番素敵な髪型です!」って思った。手のひらクルー! でも新生REDのダークカラーも超よかったです。長めなので、汗で乱れてくるとアニメキャラみたいな謎のうねりが生まれていた。
法月マークのチョーカーが必ず後ろ前になってて大変そうだった。レッグウォーマーつけた足のラインがやたらかわいいというか、足が細く長いこともあってビッグバードを思い出しながら見てました。
2.5だと首から下の毛という毛の存在は消滅させられていることが多いので、ルークちゃんが腕を上げるたびにハッてなりました(すみません)。常川アブちゃんのジャケットの下もノースリ。コスチューム担当フアンちゃん、ノースリ好きだね。
松浦フアンちゃんはデニムジャケットの袖をむしりとってパーカの装飾に使っているのだろうか……金髪(本当はシルバーだそうです)ショートを撫でつけて立てた髪型がめっちゃいいです、チャーミング、最高、外国のボーイズアイドルグループにいそう。ファンタスティックで賞。
みんな顔にキラキラつけてたりピアスシール? 本物かな? してたりしてかわいい。常川アブちゃんの耳の軟骨がキラキラで、あれはなにか塗ってるの? 細かいシール? 髪の剃りこみや眉にラメつけたら取るの大変ではないのだろうか……大変だよね……
夢カーニバル爆発してるメドレーは、最初プレビューで見た瞬間、嘘でしょ!? って思ったんですけど(本当にすみません)、何度も見てるうちに、あ~これはこれで、ってなりました。スルメ衣装。
法月マークがすごいあみあみの服を着ていてセクシー大暴投。着こなせているのはスタイルのよさあってこそだな……


振りつけ
人間ってこんなスピードで動けるの!? 手足絡まるでしょ!? って思う。けど絡まらない。人間はすごい、というかキャストさんがすごいのだ……
新生REDのLa Vidaで手をくるくるする動きが好きだったんですけどなくなって悲しかった。でもボディマイであったのでよかった。手くるくるの後の、ひとさし指を……どう表現したらいいのかわからないけど前後にクロスして出す動き、あれもかわいい。
メドレーのLa Vidaのクラップのところ、ラテン系のダンスじゃなくてロボットダンス風なの新鮮! 最後大山マシューがぶりっこ顔をする。かわいい。
総合で好きなのはRhythm in Meかもしれない。最初の、「Ya, putta rhythm in me」で腕組んで左右に重心ずらす統一した動きから、テンポ速くなっていくところでそれぞれが違うポーズをとるってアニメのOPみたいじゃないですか? 伝わりますか?



耳が慣れたので歌詞がめっちゃクリアに聞き取れるぞ! って思った。スピードラーニング
The Callingの雨の音からピアノに入っていくイントロが今回突然響いた。見るときによって自分の反応ポイントが違うので面白いですね。
Something About Youも今回二段飛ばしぐらいで好きになった。声量と伸びやかさマシマシでした。日程後半はファンサも多かった……一度もファンサ圏内の席にいなかったけど……
Body, Mind & Soulは「迷子さ どこにも行けない」って歌詞が好き。
The Miracle Songのはじめ、Yo Juan↑って上がるけど、本家版ではYo Abe↓だって気がついたのすごく最近。ていうか海外だとアブちゃんがHBBするの? それも見たい!
We are the Altar Boyzの、客席を一気に魂の浄化コンサート会場へ変えてしまうアレンジ! 本家版よりバンドの音数が多いのと、テンポも少し速い? かな? 「ギデオンの……バイブール!」で「はい頭のネジ外してください!!」って言われているようで、素直に外せたら2時間楽しいことしかない。
この曲で始まりこの曲で終わるのがいいなあ。テンションぶちあげ自己紹介ソングとしても、ストーリーの中で新生したAltar Boyzとして、改めてぼくらはアルターボーイズだと表明しなおす意味をこめて最後に歌い直すのも最高。「まだここにいたい でも終わりのとき」って歌詞でいつもちょっと泣ける。


トークなど
今回の大山さんは他のメンバーを見守っている印象が強い。体重ネタが全部回ってくる。サムアバの僕緊張しちゃうと~からの「大きくなっちゃうんだ」が確立してからは、毎回今日食べたいもの発表を楽しみにしておりました。次回は新生REDの体型で拝見したいな~~
法月さんがめちゃくちゃトーク回し上手でお母さん! て思った。当たり強めでも愛が感じられるので穏やかに見ていられる。
常川さんがフワッフワで自由で、だいたい「^ヮ^」こんな感じ。「あたかも」って使ってみたけど(「あたかも尊敬しています!」だったかな)使い方が違うって総つっこみを受けてなお「そうですかあ^ヮ^」。アブちゃんのときはしっかりきっちり感があるだけに、落差が余計かわいらしい。日程後半になるに従って、ほか4人が「アブちゃんおはなしできるかな」モードで(つっこむ準備をしながら)見つめているのが微笑ましかった。
松浦さん、関西弁のままお話されるのが本当に……本当にいいですね。関西出身でも敬語になると標準語アクセントに変わる人もいるので、ためぐちでトークしてくれてよかった。アフトクは上物販Tシャツ、下衣装ねって決まってたのにひとりだけ私物パンツで出てきてたり、「質問? 聞いてたけどぼーっとしてた」とか、自由か~~! よさしかない。
石川さんは本当にしっかりしていて、アドリブ回収もうまいし、もっとお話してるところ見たいなと思いました。石川さんとルークちゃんは逆にまったく違うから、アフトクでおっとりハキハキお話されるのを見ると、おやつを買ってあげようね……という気持ちになった。


ほか
・DVDを、CDを売って
・公演ビジュアルの写真を売ってくれてありがとう、愛してるよ でも引くパックの中身がほとんど同じだったのでショック死した、引きが弱すぎるのか逆に強すぎるのか
・クラップしてるとき、今だけリズム感黒人ばりになりたいって思う
・オールスタンディングで見たい。以前あった? のかな? 新宿faceだと座席に傾斜がないから難しそうだけど……
・DVDを売って 収益や手間を考えると難しいというのは承知の上で何卒前向きにご検討ください……いっそ記録映像でいい……
・We are the Altar Boyzの最後のポーズ、Goldが背中向きで十字架を作るのに対して、Legendは正面向きなんですね。背中合わせの十字架~~~
・千楽あと、袖の中から円陣の掛け声みたいのが聞こえてきて興奮、行ってよかった

Legacyも見た
Goldは5人の個性を尖らせに尖らせたのを盛りつけたバイキングのお皿のようなチームで、Legacyは一皿のお料理という印象。
全力全開を見せるのがGoldの魅力なら、Legacyは飄々、軽々。自分の体を隅々まで知っている人たちの歌と踊りという感じ、汗かいてました……? ってくらい力みなく繰り広げられる(空前絶後の~!)パフォーマンスを追いかける2時間でした。

東山マシュー、声帯にセクシーフィルターが搭載されているのでは? ってぐらい全発声がセクシーだった。角がないのに後ろまで届く声!
リーダーとして生まれてきたリーダー(大山マシューはリーダーになったリーダーって感じ)。「このパーティのはじまりを誰に告げようか?」「神さまに」のところ、敬虔さを感じさせられる言い方で好きです。額を合わせたりとか、頭を両手で包み込んだり、人との距離が近い。背中ポンとかハイタッチとか、男同士のコミュニケーションとはまた違った濃密さでびっくりした。言うなればお父さんが子どもにするような距離感というか……東山マシューにとってチームメンバーは「率いるべきもの」なのかなと思いました。狼の群れのボス感……サムアバ1メロの、「君こそ僕のエンジェル My Love(ウインクバチーン!)」とかを見ていると、単純に外国の方なのかもしれない。ポニーテールお似合いです。眉を顰めると皺がくっきり刻まれて、好きな小説で眉間の皺を十字架に例える描写があるのでこんなところにも十字架、と思いながら観ていました。
中河内マークは、インタビューで「中河内としてじゃなくて、マークとしてセリフを言う、歌う」って仰ってて、見た目はもちろん中河内さんなんですが、立ち居振る舞いが本当に可憐! 2X年経ってもマシューに心から恋してる中河内マーク、女性として自信失うくらいかわいかったよ。まだ日々傷つくこともある彼女(あえてこう呼びたい)が、それでも強く生きていきましょうね、10人のあなたたち、ひとりじゃないからねって生の感情を差し出すように歌ってくれるEpiphany、とても胸を打ちます。会場の視線を全部さらってしまう間の取り方の余裕、凄味があった。
森ルークのビジュアルがめちゃくちゃ強そうになっていた。普段へら~ってしてる人がぶちぎれるとめっちゃ怖いを地で行くルークちゃん。客席絡みも屈託なく楽しそうだっただけに、Number918前のマジ怒りが怖すぎて、回復センターに行った理由絶対に聞きたくない。そこで東山マシューが「ルーク下がれ!」って強めに抑えるのがかっこよかった。
植木フアンちゃんの「聖歌集666ページ開いて! 開きなさいっ!」も怖すぎて客席でビクッとした。ダンスパフォーマンス、すごいしか言えなくないですか? 悲しげな表情がよく似合うフアンちゃん。
良知アブちゃん、金髪だ!! 前回は暗め茶髪(でしたよね)でまじめ系スタイリングだったし、新生REDもGoldも見た目大人しめだったので、今回は見た目も中身もポップなアブちゃんで、こんな方向性もあるんだな!? って思いました。金髪ショートいい、すごくいい。前回は全体通してミュージカル歌唱だった覚えがあるのですが、今回はポイントのみ声を張って歌ってらした。思い出したので追記しますが、I Believeの歌い出しの「天使の光行く道を照らし」で、両手を広げて羽ばたくような動きから祈るように両指を組み合わせるまでの流れがとても好きでした。
アドリブして客席を笑わせても、いつのまにかするするするっと自分たちの手に主導権を取り戻して、意識をステージへ引き戻す手腕が絶妙。見た回全部のクオリティにムラがなく、ブロードウェイに連れてきてもらったような気持ちになりました。

Legacyから伝わってくるグループのイメージはとてもドライで、ともすればビジネス的なお付き合いにも見えていました。休みの日は全員ばらばらに過ごして、ステージ以外のプライベートではわざわざ5人集まったりしなさそうな。
でもその印象は、たとえば通常のお芝居だと家族の要素を誇張して表現することが多いからそう思うだけで、20年越えるほどいっしょにいる家族だったら、空気みたいに馴染んじゃってもう特別感もないよねえ。お父さんがいてお母さんがいての家族というよりは、5人兄弟という感じ。
大阪公演では、目を見かわすときの笑顔やところどころのハイタッチで、役者としてじゃない関係性が垣間見えて素敵でした。

Legacyは個より和に重きを置いた構成だなと思います。5人とも同じ振りつけするところが多かった。サウンドはディストーション多用で、Goldより更にアダルトな印象。フリほぼ変わってないかな? 前回も見たぞ! というのがたくさんあって懐かしかった。
Wチーム制の舞台でも、それぞれ歳が離れた演者さんたちで編成するのってそういえばあまり見ない気がする。キャリアを重ねたからこそ、若いからこそできるものそれぞれを比べることができて楽しかった。

あとは~メドレー衣装がかっこよすぎませんか? 見た瞬間思い浮かんだのは「ジャ  ズだ!!」。1回も見たことないけどジ  ーズカウコンのラストにマッチが着て出てきそう。
黒地にゴールドのキラキラが惜しみなくちりばめられていてライトで光って(この光り方がまた上品できれいだった、星みたい)、みなさん違う形だけど統一感のある衣装で超かっこいい。語彙の消失。森ルークがジャケットプレイしたらインナーがどえらいことになっててちょっと動揺した。

余談ですがGold千秋楽、東山さんと中河内さんが観劇されていて、神様ってる! と安心してください開いてますよ、で「フー!!」って声出して(中河内さんが)会場を笑わせてました。あのパートいつも微妙な空気になってたよね。
森さんも途中から? みえててめっちゃ楽しそうだった。

I Believeについて
古来日本には信じるって言葉がなくて、それは信じてないって状態が存在しなかったからっていう説を受けての(知恵袋がソースなんですけど)、I Believe感想。
ありのままを受け入れなさいっていうのは、まあほとんどのミュージカルでテーマになっていて、そこになにをプラスするかが個々の演目での持ち味だと思います。そうするとABZのプラスアルファは、「信じよ、さすれば救われん」と言うことかな。
「信じよ、さすれば救われん」は前の記事でも書いたけど、ただ神様にすがるんじゃなくて、自分で努力しろって意味の格言です。どんな困難があっても神を信じなさいって受動的な意味だと私は思ってた。
「信じる」の反対は「信じられない」。信じられないというのは、他人(だったり自分だったり)の言動を受けての、自分の中で生まれた視点です。相手の言動にどんな疑わしいことがあっても、自分がそうするって決めたら信じてるって言えるし。
個人契約をきっかけに、お互いを信じられなくなっって、でも彼らは負の側面を見せあってそれからどうする、で、もう一度バンドを続けることを選ぶ。疑いや悪い部分があること、試練として課されたことを、「それには理由があるって」思って受け入れて、自分が正しいと思うものに従う、善いところを見ることを自分の意思で選択する。
信じる努力を能動的な誓いとして表明するために、ボーイズはI Believeを歌うのかなと思います。
信じてる君を、って神さまに言う言葉じゃない。「君」の中にある鏡で自分をのぞいて、見つめなおすような歌だなと思いました。

過去公演では全曲歌詞が発表されてたんですよね(HPかパンフ?)。うらやましい。
I Believeだけらちさんブログに歌詞がある。感謝しかない。

ameblo.jp


結び
2/11の公演は、法月マークの長セリフ~Epiphanyと常川アブちゃんの長セリフ~I Believeで支えたなという印象だったんですが、千秋楽は一転、頭から最後まで説得力があって、キャストが作りたかっただろう流れと観ている側の気持ちがリンクした、ひとつのまとまり感が気持ちいい舞台でした。受け取る私の心境のせいも多大にあるとは思いつつ、すごく楽しく、悲しいシーンは悲しく、初めて見るような気持ちで2時間過ごした。
Team Goldだけでなく、Team Legacy、バンドメンバーさん、スタッフさん含めたカンパニー全体の力で最後のひと息が吹きこまれた、素晴らしいものを見ました。
Team Legacyが今回で卒業とコメントされました。そういう気持ちで見ると、日本でALTAR BOYZという形を作り、ここまで繋いできた、偉大なベテランチームへの盛大なはなむけのようだった。
Legacyが初演と再演でRed、再再演ではGoldを名乗っていたのを思うと、なんて物語性があるんだと思う。渡されたバトンを受け取って、次は自分たちがLegendへ、Legacyになります、エンターテイメントの魂を背負っていきますという大先輩方へ向けた宣言にも受け取れました。おたくは物語が大好きなんだよ……
カーテンコールで大山さんが「今日がTeam Goldの答えです」って言ってらして、でももし5人で戻ってきてくれるなら、また新しい回答が出るのが楽しみ。


ボーイズの属性のような、アイデンティティと関わる大丈夫じゃなさを持っている人もいるし、そうじゃなくても生活のなかで消耗することはままあります。自分の力で回復してフラットな状態へ戻れるのが一番健全ではあるのですけど、そうそう上手くいく訳でもなく、追い詰まってどんどんすかすかな状態になっていく気がする。
そんなときボーイズが、バーバル・ノンバーバルどちらもフルで使って大丈夫、がんばれって伝えてくれるのを体全部で受け止めていると、帰るときにはよしいっちょやってやるか! と思えるようになっている。
パフォーミングアート、エンターテイメントの力の大きさを改めて思い知りました。


今回のパンフレットで、法月さんが日本版と海外版の違いについて触れられています。
Epiphanyで笑いが起こらないのは伝え方がよくないのかなって思ってて(海外版Epiphanyはコメディ色が強くて、僕はカソリック! で「ゲイを告白するんちゃうんかーい」ズコー! ゲラゲラ! って流れになるとのこと)、でも今回で日本版はこれでいいんだろうなって思ったってまとめてらして、確かにGoldのEpiphanyはやや重めな運びだった気がする。
文化やキリスト教に対する理解度の違いがあるから場面の作り方も、お客さんの反応も変わる。それってどんな問題に対してもそうで、そのとき関わってる人や環境によってアプローチは違ってくる。
問題に向き合うとき、真正面から殴りに行く戦いかたも、おしゃれな帽子をかぶって笑い飛ばす戦いかたも、「そんなださいもんは、このダンスフロアのリズムで蹴散らしてやろうぜ!」っていう戦いかたもあるよ、それで疲れたらガーディアンエンジェルのそばで休んだらいいよって言われているような気持ちになりました。
じゃあ私にとってのガーディアンエンジェルは日本版ABZで、「大いなるもの、ヒトの視点を超えたものに対して誠実でいよう」というのが信仰のひとつの形なら、私が誠実でいたいのはこの舞台です。わあ~重いな~~~だから映像出して~~~ 

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まじめにポエムでしめます。
ここ数日ビリーエリオットの「THE LETTER」を聞いています(中河内さんご出演おめでとうございます)。
主人公ビリーの亡くなったお母さんが書いた手紙形式の歌で、「あなたが笑ったり、泣いたり、飛び跳ねたり大声を出したりするのを見られないのがとても寂しい、お小言を言えないのもね でもあなたのことをずっと見守っているからね やりたいことをしなさい、自分を誇りに思いなさい、自分に正直でいなさい、私があなたのことを大切に思っているって忘れないでね」というような歌詞です。
Team Goldのボーイズ、スタッフさん含め、あなたたちカンパニーが集まってくれて本当にありがとうと思っている、あなたたちが新宿faceのステージで見せてくれた全霊の2時間を支えに今日もがんばっている人間がいます。
ワールドツアーで日本を離れても、どこかのステージの上で楽しく歌ったり踊ったりワゴンをぶつけたりぶつけられたりそれを指差してげらげら笑ったりしていてください。
ありがとう。またね。